本記事は、公開されている情報をもとに作成した情報提供を目的とする記事です。診断や治療の代わりとなるものではありません。症状や治療については、必ず医師にご相談ください。
2026年6月、国内初のADHD治療用アプリとして発売されました。
- 「ADHDはゲームで治療できるの?」
- 「ゲーム感覚のアプリで症状が改善するって本当?」
このような疑問を持つ保護者の方や、ご本人も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、一般的なゲームにADHDの治療効果は認められていません。一方で、医療機器として承認された治療用アプリは、医師の診断・処方のもとで治療に用いられます。
2026年6月には、塩野義製薬(シオノギ)が国内初となるADHD治療用アプリ「エンデバーライド」を発売しました。ゲームのような操作を取り入れながら、注意機能に関わる認知機能へ働きかけることを目的としたデジタル治療(DTx)です。

この記事では、エンデバーライドの仕組みや期待される効果、対象年齢、費用、処方の受け方、一般的なゲームとの違いについて、わかりやすく解説します。
エンデバーライドとは?国内初のADHD治療用アプリ
エンデバーライドは、ADHD(注意欠如・多動症)の治療を目的として開発された医療機器プログラムです。
スマートフォンやタブレットで利用しますが、一般的なゲームアプリとは異なり、医療機器として国の承認を受けています。
主な特徴は次のとおりです。
- 国内初のADHD治療用アプリ
- 塩野義製薬(シオノギ)が国内で製造販売
- 医師の診断・処方が必要
- 公的医療保険の対象
- 既存の治療(薬物療法・行動療法など)と組み合わせて使用することを想定
本アプリは、米国で承認されたデジタル治療「EndeavorRx」をもとに日本向けに提供されており、日本でも臨床試験を経て医療機器として承認されています。
エンデバーライドはどんなゲーム?

見た目はアクションゲームのようですが、目的は娯楽ではなく治療です。
プレイヤーは水路を進む乗り物を操作しながら、障害物を避けたり、画面上に現れるキャラクターをタップして捕まえたりします。
ゲーム中では複数の課題を同時に処理する必要があり、注意を向け続ける力や切り替える力など、認知機能への働きかけを目的として設計されています。
また、プレイ状況に応じて難易度が自動で調整されるため、一人ひとりの状態に合わせて取り組みやすい仕組みになっています。
一般的なゲームとの違い
「ゲームで治療できる」と聞くと、市販のゲームでも同じような効果があるのではと思うかもしれません。
しかし、一般的なゲームとエンデバーライドは目的や設計が大きく異なります。
| 一般的なゲーム | エンデバーライド |
|---|---|
| 娯楽が目的 | 医療・治療が目的 |
| 誰でも利用できる | 医師の処方が必要 |
| 医学的な治療効果は確認されていない | 臨床試験を経て承認 |
| 保険適用なし | 公的医療保険の対象 |
つまり、エンデバーライドはゲームの要素を取り入れた医療機器であり、「ゲームだから治療になる」のではなく、「医療として設計・評価されたプログラム」である点が大きな違いです。
エンデバーライドに期待される効果

国内で実施された臨床試験では、通常の治療に加えてエンデバーライドを使用したグループで、不注意症状の改善が認められたと報告されています。
期待される効果としては、次のようなものがあります。
- 不注意症状の改善
- 注意機能に関わる認知機能への働きかけ
- 薬物療法や行動療法など通常治療の補助
ただし、効果には個人差があります。
エンデバーライドは医師の診断・処方のもとで使用する治療法であり、すべての患者さんに同じ効果が得られるわけではありません。
対象年齢・利用方法・費用
現在の利用条件は以下のとおりです。
- 対象:6歳以上18歳未満
- 医師の診断・処方が必要
- 1日約25分
- 約6週間継続して使用
- 公的医療保険の対象
公定価格は14,500円で、通常は健康保険の自己負担割合に応じた費用を支払います。
また、自治体の子ども医療費助成制度を利用できる場合は、自己負担額がさらに軽減されることがあります。
詳しい費用は受診する医療機関や自治体によって異なるため、事前に確認すると安心です。
エンデバーライドの処方はどう受ける?
エンデバーライドは市販アプリのように自由に利用することはできません。
医師がADHDと診断し、必要と判断した場合に処方されます。
処方方法や利用開始までの流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
▶エンデバーライドの処方方法・使い方・対応機種を解説

エンデバーライドは薬の代わりになる?
エンデバーライドは、薬の代わりとして使用することを目的とした治療法ではありません。
ADHDの治療では、症状や年齢、生活環境などに応じて、薬物療法や行動療法、環境調整などを組み合わせて治療を行います。
エンデバーライドも、こうした治療の一つとして活用されるデジタル治療(DTx)です。
国内の臨床試験では、通常の治療に加えてエンデバーライドを使用したグループで、不注意症状の改善が認められたことが報告されています。そのため、薬を完全に置き換えるものではなく、既存の治療を補完する選択肢として位置づけられています。
薬を服用している場合でも、自己判断で中止したり、エンデバーライドだけで治療を行ったりすることは避けましょう。治療内容の変更は、必ず主治医と相談しながら進めることが大切です。
デジタル治療(DTx)とは?
エンデバーライドは、「デジタル治療(DTx:Digital Therapeutics)」と呼ばれる新しい治療法の一つです。
DTxとは、スマートフォンやタブレットなどのデジタル技術を活用し、病気の治療や症状改善を目的とした医療です。
健康管理アプリとは異なり、臨床試験で有効性や安全性が評価され、医療機器として承認されたものだけがDTxとして提供されます。
薬を置き換えるものではなく、薬物療法や生活指導などと組み合わせて使用されるケースもあります。
ゲーム依存とは違う?
「ADHD ゲーム依存」「ADHD ゲーム やめられない」と検索する方も少なくありません。
しかし、エンデバーライドは一般的なゲームとは目的や設計が異なります。
一般的なゲームは娯楽を目的として設計されていますが、エンデバーライドは治療を目的とした医療機器です。
利用時間も1日約25分に設定され、医師や保護者の管理のもとで使用します。
そのため、長時間プレイを前提とした娯楽ゲームとは性質が異なります。
よくある質問
ADHDはゲームで治療できますか?
一般的なゲームにADHDの治療効果は認められていません。
一方で、エンデバーライドのような医療機器として承認された治療用アプリは、医師の管理のもとで治療に使用されます。
エンデバーライドは誰でも利用できますか?
いいえ。
医師による診断と処方が必要で、対象は6歳以上18歳未満です。
保険は適用されますか?
はい。
エンデバーライドは公的医療保険の対象です。
自己負担額は健康保険の負担割合や自治体の子ども医療費助成制度によって異なります。
大人も利用できますか?
現時点では、日本で承認されている対象は6歳以上18歳未満であり、成人向けとしては承認されていません。
大人でADHDの症状が気になる場合は、精神科や心療内科、発達障害の診療を行う医療機関を受診し、薬物療法や認知行動療法、生活環境の調整など、ご自身に合った治療について医師に相談することをおすすめします。
アプリは自分でダウンロードすれば使えますか?
アプリ自体はダウンロードできますが、利用するには医師の診断・処方が必要です。処方時に渡されるスタートアップセットに含まれる起動コードで有効化する仕組みのため、ダウンロードだけでは治療を開始できません。
まとめ
エンデバーライドは、ゲームのような操作性を取り入れながらも、医療機器として承認された国内初のADHD治療用アプリです。
一般的なゲームとは異なり、医師の診断・処方のもとで使用され、公的医療保険の対象にもなっています。
国内の臨床試験では、不注意症状の改善が認められており、薬物療法や行動療法と組み合わせる新たな治療の選択肢として期待されています。
お子さんへの利用を検討している場合は、まずかかりつけの小児科や児童精神科で「エンデバーライドに興味がある」と相談してみましょう。医師が症状や治療方針を踏まえたうえで、適切な治療方法を提案してくれます。
なお、本記事は一般的な情報を紹介するものであり、診断や治療方針を示すものではありません。症状や治療について不安がある場合は、必ず医療機関で専門医にご相談ください。
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