「障害のある子どもでも、こどもNISAを利用できる?」
「障害者手帳を持っているけれど、対象外にならない?」
「子ども本人が意思表示することが難しい場合はどうなる?」
2027年から始まる予定の「こどもNISA」について、障害児を育てているご家庭からは、このような疑問が出てくるかもしれません。
特に障害児の場合、教育費だけでなく、成人後の生活費や福祉サービス、自立に向けた資金など、将来に向けて長期的にお金を準備しておきたいと考えるご家庭も多いでしょう。
結論からいうと、現時点で公表されている制度設計では、障害児だからこどもNISAの対象外になるという規定はありません。
一方で、障害児の場合に特に気になるのが、12歳以降の払い出しに必要となる「本人の同意」です。
2026年8月17日時点では、意思表示が難しい障害児について、この同意をどのように扱うのかという特例は明確になっていません。
この記事では、財務省の「令和8年度税制改正の大綱」などをもとに、
- こどもNISAは障害児も対象なのか
- 障害者手帳の有無は関係するのか
- 親が口座を管理できるのか
- 本人同意はいつ必要なのか
- 12歳以降の払い出し条件
- 障害児の場合に注意したいポイント
- 18歳以降の管理
について、できるだけわかりやすく解説します。
※この記事は2026年8月17日時点で公表されている情報をもとにしています。今後、政省令や金融機関の手続きが変更される可能性があります。
この記事の結論
まず、ポイントを簡単にまとめます。

こどもNISAと障害児の関係
① 障害児も対象になると考えられる
現在公表されている制度設計では、「障害児は対象外」という規定はありません。
② 障害者手帳の有無は、こどもNISAの対象要件ではない
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳などを持っていること自体によって、こどもNISAの対象から外れる仕組みにはなっていません。
③ 0歳から利用できる予定
2027年から、0歳の子どもも対象になる制度設計です。
④ 年間投資枠は60万円
年間60万円、非課税保有限度額600万円とされています。
⑤ 障害児の場合に特に注意したいのが「本人同意」
12歳以降に教育費や生活費などのために払い出す場合、子ども本人の同意を得たことを証明する書類が必要とされています。
ただし、本人が意思表示をすることが難しい場合の具体的な取り扱いは、2026年8月17日時点では明確になっていません。
こどもNISAとは?2027年から始まる新しいNISA
こどもNISAは、未成年者も利用できるようにNISAの対象を拡大する制度です。
正式な制度上の名称は、「未成年者特定累積投資勘定」とされています。
2025年12月26日に閣議決定された「令和8年度税制改正の大綱」に制度化が盛り込まれました。
制度の概要は次のとおりです。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開始予定 | 2027年1月1日 |
| 対象 | 0~17歳の日本居住者 |
| 年間投資枠 | 60万円 |
| 非課税保有限度額 | 600万円 |
| 非課税保有期間 | 無期限 |
| 投資対象 | 一定の基準を満たす投資信託 |
| 位置付け | NISAの未成年者向け制度 |
大きな特徴は、0歳から利用できるようになることです。
これまで未成年向けの制度として存在したジュニアNISAは2023年末で終了しています。
こどもNISAは、それとは異なる新しい制度として設計されています。
障害児でもこどもNISAを利用できる?
結論:障害児だから対象外になるという規定はありません
ここは、障害児を育てているご家庭にとって重要なポイントです。
現時点で公表されている「令和8年度税制改正の大綱」では、こどもNISAの対象について、障害の有無による除外規定は設けられていません。
つまり、
「障害児だからこどもNISAを利用できない」
という制度ではありません。
障害者手帳を持っていることだけを理由に、こどもNISAの対象外になる仕組みでもありません。
障害者手帳を持っていても利用できる?
障害者手帳の有無は、こどもNISAの対象条件ではありません

身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳などを持っている子どもについても、制度上「障害者手帳を持っているため利用できない」とする規定は確認されていません。
そのため、
「障害者手帳があるからNISAを利用できないのでは?」
と心配している場合は、現時点ではそのように考える必要はありません。
ただし、こどもNISAは投資制度です。
障害児の場合には、一般的な教育資金だけではなく、将来の生活費や福祉サービス利用なども含めて、家計全体の資金計画の中で利用を考えることが大切です。
親が子どもの代わりに口座を管理できる?
未成年の子どもについては、親権者などが法定代理人として手続きを行う場面があります。
実際、未成年者の証券口座については、金融機関でも親権者による手続きを前提としたサービスが提供されています。
そのため、
「子どもが小さいから、親は何もできない」
という制度ではありません。
ただし、
口座開設・積立・商品の購入などの通常の管理手続きと、
12歳以降の払い出しに必要な本人同意
は分けて考える必要があります。
ここが、障害児世帯にとって特に重要なポイントです。
【重要】12歳以降の払い出しには本人同意が必要
こどもNISAでは、子どもの資金を自由に引き出せるわけではありません。
令和8年度税制改正の大綱では、12歳以降について、一定の条件を満たす場合に払い出しが認められる仕組みが示されています。
主な条件は、
① 子どもの教育費・生活費などに使う
学校の入学金や授業料などの教育費、生活費など、一定の用途に限られます。
② 子ども本人の同意が必要
払い出しについて、本人の同意を得たことを証明する書類が必要とされています。
③ 親権者等が手続きを行う
書類提出の手続きは、子どもの親権者等が行うとされています。
つまり、
「親が手続きをする」ことと「子ども本人の同意が必要」ということは別問題
です。
障害児が本人同意をするのが難しい場合は?
ここが、今回の記事でもっとも重要なポイントです。
例えば、
- 知的障害があり、複雑な内容を理解することが難しい
- 意思表示が難しい
- コミュニケーションに大きな支援が必要
- 障害の程度によって本人の意思確認が難しい
といったケースです。
この場合、
「親が代わりに同意すればいいの?」
という疑問が出てきます。
現時点では、明確な特例は公表されていません
2026年8月17日時点で確認できる令和8年度税制改正の大綱には、意思表示が難しい障害児について、本人同意をどのように代替するかという具体的な特例規定は明記されていません。
したがって、
「親が代わりに同意すれば必ず払い出せる」
とは現段階では断定できません。
今後、金融庁などから具体的な手続きが示される可能性があります。
「本人同意」と「親による手続き」は違う
ここは少し分かりにくいので、整理しておきましょう。
親ができる可能性があること

- 口座開設の手続き
- 積立設定
- 投資信託の購入などの管理
- 必要書類の提出
別途確認が必要なこと

- 12歳以降の払い出しにおける本人同意
- 本人が意思表示できない場合の代替手段
- 金融機関がどのような書類を求めるのか
この違いを理解しておくことが大切です。
11歳以下なら自由に引き出せる?
いいえ。
むしろ、12歳未満については払い出しがより厳しく制限されています。
令和8年度税制改正の大綱では、12歳未満については原則として払い出しが制限され、災害による住宅の全壊など、一定のやむを得ない事情がある場合に限って例外が設けられています。
そのため、
「障害児だから医療費がかかるので、いつでも引き出せる」
という制度ではありません。
ここは、こどもNISAを利用する前に知っておきたい重要な注意点です。
12歳以降なら教育費・生活費に使える
12歳以降になると、一定の条件のもとで払い出しが認められる仕組みになります。
対象となるのは、
- 学校の入学金
- 授業料
- その他の教育費
- 生活費
などです。
ただし、
「子どものためなら何でもOK」ではありません。
さらに、本人同意に関する書類も必要です。
障害児の場合は、特にこの部分について今後の詳細を確認する必要があります。
障害児の親が気になる「こどもNISAのメリット」
こどもNISAには、障害児世帯にとって検討する価値のある面もあります。
メリット① 長期で資産形成できる
0歳から始められるため、長い期間をかけて資産形成を考えられます。
例えば、毎月1万円なら、
1万円×12か月=年間12万円
です。
年間60万円の上限まで必ず投資する必要はありません。
家計に無理のない金額から考えることが大切です。
メリット② 将来の教育・生活資金を準備できる
障害児の場合、将来的に、
- 特別支援学校卒業後の生活
- グループホーム
- 福祉サービス
- 就労支援
- 住居
- 生活費
など、一般的な教育資金とは異なる支出を考える必要があるケースもあります。
そのため、
「大学資金だけではなく、将来の生活を支えるお金」
という視点で資産形成を考えることもできます。
ただし、こどもNISAの払い出しには一定の制限があるため、すぐに必要になるお金をすべて投資に回すのは避けたほうがよいでしょう。
障害児の親が注意したい「こどもNISAのデメリット」
関連検索では「こどもNISA デメリット」も出ています。
障害児世帯の場合、特に次の点に注意したいところです。
デメリット① 必要なときに自由に引き出せない
これが最大の注意点です。
医療費、介護費、福祉サービス利用料など、急にお金が必要になる可能性がある家庭では、生活防衛資金を別に確保しておくことが重要です。
デメリット② 本人同意の問題が残っている
障害児の場合、12歳以降の払い出しについて本人同意が必要になる点は重要です。
特に意思表示が難しい場合、
「具体的にどうやって本人同意を確認するのか?」
という問題があります。
2026年8月17日時点では、障害児向けの特別な取り扱いは明文化されていません。
デメリット③ 投資なので元本保証ではない
NISAは「税金がかからない制度」であって、損失が出ない制度ではありません。
投資信託の価格が下がれば、元本を下回る可能性があります。
したがって、
近いうちに使う予定のお金を無理に投資する必要はありません。
「障害児だからこどもNISAを使うべき」ではない
ここは非常に大切です。
障害児のご家庭では、
- 児童手当
- 特別児童扶養手当
- 障害児福祉手当
- 医療費助成
- 特別障害者控除などの税制
- 教育資金
- 将来の生活資金
など、さまざまなお金の制度があります。
こどもNISAは、その中の一つの選択肢です。
「非課税だから上限まで投資しなければならない」と考える必要はありません。
障害児の家庭は「投資するお金」と「すぐ使うお金」を分けよう
おすすめしたい考え方は、非常にシンプルです。

① 近いうちに使うお金
→ 預貯金などで確保
② 数年~長期間使わないお金
→ こどもNISAなどを含めて資産形成を検討
③ 将来の生活に備えるお金
→ 預貯金・保険・投資・公的制度などを組み合わせる
特に障害児の場合は、「全部投資」ではなく「現金も残しておく」ことが重要です。
「こどもNISAで後悔した」ということにならないために
関連検索では「子供 障害児 後悔」というキーワードも確認できます。
こどもNISAそのものが悪いという意味ではありません。
むしろ、
「制度をよく理解しないまま、必要なお金まで投資してしまった」
ということを避けることが重要です。
例えば、
「将来使うかもしれないから、とりあえず年間60万円全部入れよう」
と考える必要はありません。
月5,000円、1万円など、家計に無理のない金額から始める方法もあります。
祖父母がお金を出す場合は注意
障害のあるお孫さんの将来を考えて、
「こどもNISAの資金を祖父母が出してあげたい」
というケースも考えられます。
この場合は、贈与税についても確認が必要です。
暦年課税では、原則として年間110万円の基礎控除があります。
ただし、
「年間60万円だから必ず問題ない」
と単純に考えるのではなく、両親や祖父母など複数の人から贈与を受ける場合は、贈与を受ける子ども側で合計額を確認する必要があります。
まとまった金額を贈与する場合は、税理士など専門家への相談も検討しましょう。
18歳になったらどうなる?
こどもNISAは未成年者向けの制度です。
制度設計では、18歳到達後は成人向けNISAのつみたて投資枠へ移行する仕組みが示されています。
ここでも障害児世帯では、
「18歳になった後、本人が手続きをできない場合はどうするの?」
という問題が出てきます。
未成年の間は親権者による法定代理が関係しますが、18歳になると成人です。
そのため、親だからという理由だけで、本人の財産を自由に管理できるわけではありません。
本人の判断能力や財産管理の状況によっては、成年後見制度などについて早めに確認しておくことも選択肢になります。
ただし、成年後見制度を利用すればNISAに関するすべての手続きが自動的に解決する、と考えるのは適切ではありません。
障害児の家庭が今から確認しておきたい5つのポイント
最後に、重要なポイントをまとめます。
POINT① 障害児でも対象になる?
現時点の制度設計では、障害児を対象外とする規定はありません。
POINT② 障害者手帳は関係する?
障害者手帳の有無によって対象外になる制度ではありません。
POINT③ 親が手続きできる?
未成年者については、親権者などが法定代理人として手続きを行う場面があります。
POINT④ 本人同意は?
12歳以降の一定の払い出しでは、本人の同意を得たことを証明する書類が必要とされています。
意思表示が難しい障害児についての具体的な特例は、2026年8月17日時点では明確になっていません。
POINT⑤ 18歳以降は?
成人になるため、親権者としての立場ではなくなります。
将来、本人による財産管理が難しい可能性がある場合は、早めに専門家へ相談しておくと安心です。
まとめ:障害児でもこどもNISAは利用を検討できる
2027年から始まる予定のこどもNISAは、現時点の制度設計では障害児も対象になると考えられます。
障害者手帳を持っていることだけを理由に対象外となる規定も確認されていません。
一方で、障害児のご家庭が特に注意したいのが、12歳以降の払い出しに必要となる本人同意です。
2026年8月17日時点では、本人が意思表示することが難しい障害児について、
「親がどのように代わって同意できるのか」
という具体的なルールは、まだ明確になっていません。
そのため、現段階では、
「障害児だから利用できない」と考える必要はない一方、「本人同意の問題は今後の制度詳細を確認する必要がある」
というのが最も正確な整理です。
こどもNISAを利用する場合も、教育費や将来の生活費などをすべて投資に回すのではなく、すぐに使うお金と長期的に運用するお金を分けて考えることが大切です。
今後、金融庁や国税庁、各金融機関から具体的な手続きが公表されれば、特に「本人同意」「意思表示が難しい場合」「代理手続き」について内容を確認していきましょう。
よくある質問
Q. 障害者手帳を持っている子どもでもこどもNISAを利用できますか?
現時点の制度設計では、障害者手帳を持っていることを理由に対象外とする規定はありません。
Q. 知的障害のある子どもでも対象ですか?
障害の種類によって対象外となる制度設計にはなっていません。ただし、12歳以降の払い出しでは本人同意が関係するため、意思表示が難しい場合の具体的な手続きについては今後の情報確認が必要です。
Q. 親が子どもの代わりに手続きできますか?
未成年者については、親権者などが法定代理人として手続きを行う場面があります。ただし、12歳以降の払い出しに必要な本人同意については別途確認が必要です。
Q. 障害児なら医療費のために自由に払い出せますか?
自由に払い出せるわけではありません。12歳未満と12歳以降で条件が異なり、12歳以降も教育費・生活費など一定の用途が条件となります。
Q. こどもNISAは年間60万円まで必ず投資する必要がありますか?
いいえ。60万円は年間投資枠です。家計に無理をして上限まで投資する必要はありません。
Q. 18歳になったら親がそのまま管理できますか?
18歳になると成人です。未成年者の親権者としての法定代理とは状況が変わるため、本人の意思能力や財産管理の状況に応じて対応を検討する必要があります。
参考資料
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱」
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」
- 金融庁「令和8年度税制改正要望」
- 三井住友銀行「こどもNISA」解説
- 各金融機関の未成年者口座・NISAに関する案内
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