「定時制高校ってどんな学校なんだろう?」
「社会人でも入学できる?」
「普通高校や通信制高校と何が違うの?」
定時制高校について調べていると、このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
私は中学卒業後、高校へは進学しませんでした。
17歳からアルバイトを始め、21歳で社会人入試を利用して公立の定時制高校へ入学。昼は食品会社で働き、夜は高校へ通う生活を4年間続けました。
そして卒業後は、社会人入試で国立大学へ進学しています。
入学前の私は、「定時制高校は不良が多い」「勉強についていけるだろうか」「21歳で高校へ行って浮かないだろうか」と、不安ばかりでした。
しかし実際に通ってみると、そのイメージは大きく変わります。
高校なのに給食があり、成人した学生のための喫煙所があり、40代や60代の学生もいる。そして昼間働いて疲れて眠ってしまった生徒を、先生は無理に起こさない。
そこは、私が想像していた「高校」とはまったく違う場所でした。
この記事では、21歳で定時制高校へ入学し4年間卒業した経験をもとに、パンフレットや学校案内だけでは分からない「定時制高校のリアル」を紹介します。
定時制高校とは?

定時制高校とは、高校卒業資格を取得できる高等学校の課程の一つです。
一般的には夕方から夜に授業が行われ、昼間働いている人や家庭の事情がある人、普通高校を中退した人、不登校を経験した人、社会人など、さまざまな背景を持つ人が学んでいます。
近年は通信制高校を選ぶ人も増えていますが、「毎日学校へ通って学びたい」「先生や友人との交流を大切にしたい」という理由から定時制高校を選ぶ人も少なくありません。
私が通っていた学校の時間割は次のような流れでした。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 17:50~18:20 | 🍽 給食 |
| 18:20~20:40 | 📖 授業 |
| 20:40以降 | ⚽ 部活動(活動日による) |
昼間は仕事をして、夕方から登校する生活です。
定時制高校へ入学する前に一番不安だったこと
実は、私が一番心配していたのは「勉強についていけるか」ということでした。
中学時代、私は決して勉強が得意ではありません。
高校へも進学していないため、「今さら授業についていけるのだろうか」という不安がありました。
しかし、その心配は良い意味で裏切られます。
定時制高校には、普通高校を中退した人や学び直しを目的とした人も多く、授業は基礎から丁寧に進められました。
テスト前には「ここが試験に出ます」と先生が重要なポイントを教えてくれることも多く、しっかり授業を受けて復習すれば十分対応できる内容でした。
もちろん勉強をしなくても良いという意味ではありません。
私は毎日帰宅後に約2時間、中学の参考書や問題集を使って復習を続けました。
その結果、卒業時には学年で3位以内の成績を取ることができました。
「勉強が苦手だから定時制高校も難しいかもしれない」と考えている方は、必要以上に心配しなくても大丈夫だと思います。
私が21歳で定時制高校へ入学した理由
私は中学卒業後、高校へは進学しませんでした。
17歳になった頃、お弁当屋さんでアルバイトを始めました。
最初はレジ係だけでしたが、配達や野菜の仕込み、在庫管理なども任されるようになり、朝から夜まで働く毎日になりました。

2年ほど働いたある日、お店に1枚のはがきが届きます。
調理師試験の受験案内でした。
実務経験2年以上で受験できることを知り、「せっかくだから受けてみよう」と思って受験したところ、無事に合格しました。
さらに私の人生を大きく変えたのが、店長の一言です。
「高校くらいは出ておけ。」
店長が新聞で見つけた定時制高校の社会人入試の記事を持ってきてくれました。
試験科目は英語や数学ではなく、面接と800字の作文。
「今さら高校なんて……」
そう思いましたが、店長の後押しもあり、受験することを決意しました。
そして21歳で定時制高校へ入学します。
今振り返ると、あの新聞記事を店長が持ってきてくれなければ、今の私はまったく違う人生を歩んでいたと思います。
定時制高校で驚いた5つのこと
入学前は、「普通高校とは違う学校」という程度のイメージしかありませんでした。
しかし、実際に通ってみると、想像とは違うことばかりでした。

① 高校なのに給食がある
最初に驚いたのは給食です。
授業が始まる30分前の17時50分から給食の時間がありました。
昼間働いている学生が多いため、学校側が夕食代わりとして用意してくれていたのです。
仕事帰りに温かい食事が食べられることは、本当にありがたく感じました。
「高校で給食を食べるなんて」と最初は驚きましたが、すぐに当たり前の光景になりました。
② 成人した学生のために喫煙所があった
普通高校ではまず見られない光景でした。
校内には灰皿が設置され、成人した学生は喫煙所で休憩していました。
もちろん未成年の喫煙は禁止です。
成人した学生がいるからこその設備でした。
③ 授業中に寝ても頭ごなしに怒られない
昼間仕事をしてから学校へ来るため、疲れて授業中に眠ってしまう学生もいました。
しかし先生は、無理に起こして叱ることはありません。
「昼間働いてきたんだから疲れているよな。」
そんな空気が学校全体にありました。
もちろん授業は受けることが大切ですが、「働きながら学ぶ」という現実を先生方が理解してくれていたことが印象に残っています。
④ 年齢も経歴も本当にさまざまだった
私のクラスでは21歳だった私が最年長でした。
しかし他のクラスや学年には、40代の男性や62歳で定年退職後に生涯学習として通っている方もいました。
また、
- 普通高校を中退した人
- 不登校や保健室登校を経験した人
- 元暴走族だった人
- 昼は会社員として働く人
など、本当にさまざまな人が同じ教室で学んでいました。
年齢や過去ではなく、「今、学びたい」という気持ちで集まっている学校だったのです。
⑤ 思っていた以上に「普通の高校生活」だった
定時制高校にも文化祭や体育祭、部活動があります。
文化祭では屋台やバザーが開かれ、軽音楽部のライブも行われました。
夜に開催されるため、地域の方や保護者が多く訪れ、とても温かい雰囲気だったことを覚えています。
私はサッカー部へ入部し、4年生では副キャプテンを務めました。
また、クラスでは4年間学級委員も担当しました。
「定時制高校だから高校生活は楽しめない」ということはまったくありませんでした。
むしろ、自分で選んで通っているからこそ、一つひとつの学校生活を大切にしている人が多かったように思います。
定時制高校のメリット【4年間通って実感した5つのこと】

4年間通って感じたのは、定時制高校には全日制高校にはない魅力が数多くあるということです。
「高校へ行き直したい」「働きながら学びたい」「大学進学を目指したい」という人にとっては、人生を変えるきっかけになる学校だと思います。
ここでは、実際に4年間通った私が感じたメリットを紹介します。
学費が安く、働きながらでも通いやすい
定時制高校最大のメリットの一つは、学費の安さです。
公立の定時制高校であれば、授業料は年間約3万円程度が一般的です。さらに、高等学校等就学支援金制度の対象になれば、授業料が実質無償になるケースもあります。
私が通っていた当時は、給食費も含めて毎月約34,000円でした。
また、昼間働いている生徒は、「夜間課程等教科書無償給与制度」の対象となり、教科書が国から無償で支給されていました。
そのため、教科書代をほとんど負担することなく勉強できました。
私は昼間、食品会社で働きながら、自分の給料で授業料を払い、高校を卒業しています。
経済的な理由で高校進学を諦めている人でも、定時制高校なら現実的に通える可能性があります。
働きながら高校卒業資格を取得できる
定時制高校は、「働きながら高校卒業資格を取得したい」という人には非常に相性の良い学校です。
私は朝から夕方まで食品会社で働き、仕事が終わるとそのまま学校へ向かう生活を送っていました。
決して楽ではありませんでしたが、「働くこと」と「学ぶこと」を両立できた4年間は、その後の人生に大きな自信を与えてくれました。
同級生にも昼間は会社員、工場勤務、アルバイトなど、さまざまな仕事をしている人がいました。
卒業後、そのまま勤務先へ就職した人も多く、働きながらキャリアアップを目指せる環境だったと思います。
年齢を気にせず学び直せる
入学前、私が最も不安だったのは「21歳で高校へ入学して浮かないだろうか」ということでした。
しかし、その心配はまったく必要ありませんでした。
私のクラスでは21歳だった私が最年長でしたが、他の学年には40代の元ひきこもりと言われていた男性や、62歳で定年退職後に生涯学習として通っていた方もいました。
定時制高校では年齢よりも、「もう一度学びたい」という気持ちが尊重されます。
そのため、社会人になってから高校へ入り直す人も決して珍しくありません。
大学や専門学校への進学も十分目指せる
「定時制高校から大学へ進学できますか?」
これは非常によく聞かれる質問です。
私は定時制高校卒業後、社会人入試を利用して国立大学へ進学しました。
また、同級生にも推薦入試で大学へ進学した人がいました。
専門学校へ進学した人も1学年で10人ほどいます。
「定時制高校だから進学できない」ということはありません。
大切なのは学校の種類ではなく、自分が何を目標に努力するかだと実感しています。
勉強が苦手でも努力しやすい環境だった
高校へ入学する前、私が一番心配していたのは勉強でした。
「何年も勉強していないのに授業についていけるだろうか。」
そんな不安がありました。
しかし実際は、授業は基礎から丁寧に進められ、先生方も分からないところを何度でも教えてくれました。
テスト前には重要なポイントを繰り返し復習してくれるため、「何を勉強すればよいか」が分かりやすかったことも印象に残っています。
もちろん勉強は必要です。
私は毎日帰宅後に約2時間、中学の参考書や問題集を使って復習を続けました。
その結果、卒業時には学年3位以内の成績を取ることができました。
「勉強が苦手だから無理」と思っている人ほど、一歩踏み出してほしいと感じています。
定時制高校のデメリット

もちろん、定時制高校にもデメリットはあります。
実際に4年間通った経験から感じた点を紹介します。
卒業まで4年間かかる
一般的な定時制高校は4年間で卒業します。
そのため、全日制高校より1年長く通う必要があります。
一方で、私が通っていた学校では、高等学校卒業程度認定試験(旧大検)や通信制高校を併修して必要単位を取得し、3年間で卒業した人も数名いました。
現在でも学校によっては、「三定(さんてい)併修」と呼ばれる制度を利用し、定時制高校に通いながら通信制高校のスクーリングや高卒認定試験を組み合わせて卒業を早められるケースがあります。
制度の有無は学校によって異なるため、入学を検討している学校へ確認してみるとよいでしょう。
自由時間は少なくなる
私の生活は毎日ほぼ同じでした。
- 朝6時起床
- 昼間は仕事
- 夜は学校
- 部活動
- 帰宅後に勉強
気付けば夜10時を過ぎることも珍しくありませんでした。
働きながら学ぶ以上、自由時間が少なくなることは覚悟しておいた方がよいと思います。
修学旅行へ参加できないこともある
私たちの修学旅行は沖縄でした。
しかし、仕事を休めなかったため参加を断念しました。
積立金は返金されましたが、「高校生活らしい思い出を一つ逃したかな」という気持ちは今でもあります。
社会人として働きながら通う人ならではの悩みかもしれません。
途中で退学する人も少なくない
入学当初は1学年約100人いました。
しかし、1年生・2年生のうちに退学する人が多く、卒業時にはかなり人数が減っていました。
仕事との両立、家庭の事情、体調など、理由はさまざまです。
決して楽な学校ではありません。
だからこそ、卒業証書を手にしたときの達成感は、私にとって特別なものでした。
定時制高校と通信制高校の違い
「定時制高校と通信制高校、どちらが自分に向いているのだろう?」
私も入学前はよく分かりませんでした。
実際には、それぞれに異なる特徴があります。
| 比較項目 | 🏫 定時制高校 | 💻 通信制高校 |
|---|---|---|
| 通学 | 週5日程度 | 月数回~週数回 (学校による) |
| 授業 | 教室で先生から学ぶ | レポート・スクーリング中心 |
| 友人との交流 | 多い | 学校によって異なる |
| 部活動 | 多くの学校で実施 | 学校による |
| 学費 | 公立は比較的安い | 公立は安い・私立は高めの場合もある |
| 自己管理 | 学校の時間割に沿って生活できる | レポート提出など自己管理能力が必要 |
| 向いている人 | 毎日学校へ通いたい人 | 自分のペースで学びたい人 |
私は毎日学校へ通い、友人や先生と直接関わりながら学びたかったので、定時制高校を選んで本当に良かったと思っています。
一方で、自分のペースで勉強したい人には通信制高校が向いている場合もあります。
どちらが良い・悪いではなく、自分の生活スタイルや目標に合った学校を選ぶことが大切です。
定時制高校はこんな人におすすめ
私自身の経験から、定時制高校は次のような人に向いていると感じています。
- 高校へ進学しなかった人
- 普通高校を中退した人
- 不登校を経験した人
- 働きながら高校卒業資格を取得したい人
- 学び直したい社会人
- 将来、大学や専門学校への進学も考えている人
私も21歳で入学しました。
「もう遅い」と思っていた私でも、高校を卒業し、その後は国立大学へ進学することができました。
だからこそ、今迷っている人に伝えたいのです。
学び直しに年齢は関係ありません。
定時制高校は、過去をやり直す場所ではなく、これからの人生を歩き始めるための選択肢の一つだと思います。
よくある質問(FAQ)
定時制高校は何歳まで入学できますか?
定時制高校に年齢制限はありません。
実際、私が通っていた学校には10代の高校生だけでなく、40代の男性や62歳で定年退職後に生涯学習として通っていた方もいました。
高校卒業資格を取得したい社会人や、もう一度学びたいという人も少なくありません。
「21歳だから遅い」「30代だから無理」ということはありません。
定時制高校から大学へ進学できますか?
できます。
私自身、21歳で定時制高校へ入学し、4年間で卒業した後、社会人入試で3つの大学を受験し、すべて合格しました。
その中から国立大学へ進学し、昼間は配送の仕事をしながら夜間に大学へ通って卒業しています。
また、私の同級生にも推薦入試で大学へ進学した人がいました。
定時制高校だから進学できないのではなく、自分の努力次第で進路は大きく広がります。
定時制高校は不良が多いですか?
私が入学前に抱いていたイメージも、正直これでした。
しかし実際はまったく違いました。
普通高校を中退した人や、不登校を経験した人、働きながら通う社会人など、それぞれ事情を抱えた人が集まっていました。
もちろん元暴走族だったという人もいました。
でも、学校ではみんな普通の学生です。
授業を受け、文化祭や体育祭を楽しみ、将来について真剣に考えていました。
入学前に抱いていた「怖い学校」というイメージは、初日でなくなりました。
定時制高校は勉強についていけますか?
私は中学卒業後、数年間ほとんど勉強をしていませんでした。
そのため、入学前は授業についていけるか不安でした。
しかし授業は基礎から丁寧に進み、テスト前には重要ポイントも教えてもらえたため、思っていたより勉強しやすい環境でした。
帰宅後に毎日2時間ほど中学の参考書を使って復習を続けた結果、卒業時には学年3位以内の成績を取ることができました。
勉強が苦手でも、「やり直したい」という気持ちがあれば十分取り返せると思います。
社会人でも友達はできますか?
できます。
私は21歳で入学し、最初は年齢差を気にしていました。
しかし部活動や学級委員を通じて自然と友人ができました。
4年間学級委員を務め、サッカー部では副キャプテンも経験しています。
年齢よりも、「同じ学校で学ぶ仲間」という意識の方が強かったように思います。
私が定時制高校で得たもの

高校卒業資格だけではありません。
4年間を振り返ると、それ以上に大きなものを得ました。
中学卒業後、私は高校へ進学せず、約2年間引きこもっていました。
「自分には何もない。」
そう思っていた私が、定時制高校では学級委員を4年間務め、サッカー部では副キャプテンになりました。
勉強も、中学時代は嫌いでした。
それでも毎日少しずつ積み重ねることで、卒業時には学年3位以内まで成績を伸ばすことができました。
その経験が自信となり、その後の社会人入試による国立大学進学へとつながっています。
振り返ってみると、人生が変わったきっかけは特別な出来事ではありませんでした。
その言葉をきっかけに、新聞に載っていた社会人入試の記事を見て、一歩踏み出しただけでした。
もしあの時、「今さら高校なんて」と諦めていたら、今の私はいなかったと思います。
定時制高校を検討している方へ
今、この記事を読んでいる方の中には、
- 高校へ進学しなかった
- 高校を中退した
- 不登校を経験した
- 社会人だけど高校卒業資格が欲しい
そんな悩みを抱えている方もいるかもしれません。
私も同じように悩みました。
だからこそ伝えたいことがあります。
定時制高校は、「人生をやり直す場所」ではありません。
これからの人生を新しくスタートさせる場所です。
年齢も、過去も関係ありません。
大切なのは、「これからどうしたいか」です。

まとめ
私は21歳で定時制高校へ入学しました。
昼は食品会社で働き、夜は学校へ通う生活を4年間続けました。
決して楽ではありませんでしたが、その経験は私の人生の土台になっています。
定時制高校で学んだからこそ、高校卒業資格を取得できただけでなく、
- 学級委員を4年間務めたこと
- サッカー部で副キャプテンを経験したこと
- 学年3位以内まで成績を伸ばせたこと
- 社会人入試で国立大学へ進学できたこと
すべてが、その後の人生につながりました。
もし今、「もう遅い」と感じているなら、一つだけ伝えたいことがあります。
私は21歳で高校へ入り直しました。
中学卒業後、高校へ進学しなかった私が、定時制高校を卒業し、国立大学まで進学できました。
だから私は、『もう遅い』という言葉をあまり信じていません。
人生は、一歩踏み出すきっかけさえあれば、大きく変わることがあります。
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