1. 出版差し止め騒動と炎上

『困った人をうまく動かす心理術』は、
発達障がいや精神疾患を持つ人々を動物に例え「困った人」と表現したことが事前告知で批判を集めました。
しかし、この炎上が逆に話題となり、書籍の認知度が大幅にアップ!
結果的に販売数に貢献する形となりました。

20245年4月24日発売
2025年4月25日にAmazon部門1位、楽天ブックス売り上げランキング1位など次々と達成!
出版社と著者は、表現に対する配慮をしつつも、炎上を乗り越えて販売を成功させたと言えるでしょう。

2. 炎上しても売れる理由

話題性
SNSやメディアでの注目が書籍の売上に直結。
炎上によって多くの人々が興味を持ち、結果的に購入に繋がりました。
新たな火種:批判する対抗本も登場!
火に油を注ぐように、本書に対してもブーメラン的な書物が相次いで登場してきた。
1.「職場の困った人をうまく動かす実践術〜11タイプ別診断と対策法」田神優(著)
<職場にありがちな「困った人」たちを11タイプに分類し具体的な対処法を紹介>

1. 【文句ばかりタイプ】
2. 【責任逃れタイプ】
3. 【上から目線タイプ】
4. 【サボり魔タイプ】
5. 【噂話・陰口タイプ】
6. 【仕事できないけどプライド高いタイプ】
7. 【過干渉タイプ】
8. 【感情的タイプ】
9. 【マイルールタイプ】
10.【無責任上司タイプ】
11.【スーパーカウンセラータイプ】
2.「職場の困った人をうごかす心理術」を読んでみた問題点と炎上の経緯を記録する本〜発達障害へのレッテルと簡易診断の問題 かさこ (著)

大炎上本、読んでみたけど目次通りの
発達障害者や精神疾患者へのレッテル貼りだった・・・。
さらに医師でもないのに簡易診断チャートも大問題。
炎上本を全文読んだ問題点、これまでの炎上の経緯を記録する。
*2025/4/20出版の「職場の困った人を発達障害者と断定するカウンセラー炎上本の問題点を考える本」に全文読んだ感想と問題点、新たに浮上した肩書き詐称疑惑の論点を追記した本です。
実用的な内容
もともと「困った人」とのコミュニケーション術に悩んでいる潜在的ニーズが高くあった。
本書の実践的なアドバイスが求められ、販売が伸びました。
似ているタイトル本の一例
◆攻撃的・メンタル弱すぎ・手柄の横取り・やる気なし・自己中心的な 職場の困った人対応マニュアル(援川 聡 著)
◆「困った人」との接し方・付き合い方(リック・ブリンクマン、 リック・カーシュナー 著)
◆困った性格の人とのつき合いかた —パーソナリティ障害を理解して自分を守る(小羽俊士 著)
◆変な人(本郷陽二 著)
- Amazon Kindle版
3. 著者の印税収入と売上予測
一般的な印税率は約10%です。
定価1,980円(税抜)であれば、1冊あたりの印税はおおよそ198円となります。

仮に50,000冊売れた場合、著者の印税収入は9,900,000円(約990万円)。
もし、10万部売れた場合、19,800,000円(約1,980万円)にも達する可能性があります。
4. 出版社の取り分と収益構造

出版業界では、書籍の売上から著者の印税を差し引いた残りが出版社の取り分となります。
一般的に出版社の取り分は約30%~40%です。
仮に50,000冊が売れた場合、出版社が得る収益は、書籍の定価(1,980円)×50,000冊×30%(出版社の取り分)で、29,700,000円(約2,970万円)となります。
同様に、10万部売れた場合、出版社の取り分は59,400,000円(約5,940万円)となります。
5.【重要】印税収入にも税金がかかる!
印税は「雑所得」または「事業所得」として課税されます。
所得税・住民税を合わせると、
だいたい30~40%は税金で引かれるのが普通です。
つまり、印税収入1000万円があっても、
👉 手元に残るのは600〜700万円くらい。
「たくさんもらえそう!」と思っても、
税金分をしっかり引いて考えないと危ないですね。

6.出版業界の裏側も知っておこう
実は、出版の世界にはこんなルールがあります。

出版社→取次会社→書店の順で流通
書店で売れ残ったら返品できる(委託販売制)
つまり、最初に本がたくさん出荷されても、
売れなければ返品されて出版社は赤字リスクを背負います。
著者の印税は基本「実売部数」ベースなので、返品されると、当然その分の印税はカットされます。
7.炎上商法と売上の関係

炎上と売上
今回の書籍のケースでも、話題性が販売に大きく影響したと言えるでしょう。
著者と出版社の収益分配
一般的な契約では、著者と出版社は印税を基に収益を分け合います。
【まとめ】炎上はリスクも大きい
短期的には
✅ 注目を集めて売れる
✅ 印税でまとまった収入を得られる
というメリットがありますが…
- 著者への誹謗中傷
- 次回作が出しづらくなる
- SNSでの個人情報流出や名誉毀損リスク
など、長期的には大きなマイナスも伴います。
出版差し止め騒動をきっかけに、
「売れるけどリスクだらけの出版ビジネス」
についても、少し立ち止まって考えたいもらいたいですね。
最後に
このように、定価1,980円(税抜)をもとに計算すると、著者の印税収入はかなりの金額に上ります。
仮に5万部売れた場合、著者の印税は約990万円、出版社の取り分は約2,970万円となります。
さらにそれを追い打ちをかけるように、追従してくる名をあげたいチェイサーたち。
炎上が売上にどれだけ貢献したかを考えると、出版業界を学ぶうえでも非常に興味深い事例となっています。
ご興味がある方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。
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イラストレーター編

前編

後編

著者編
