「スパイ防止法」という言葉をニュースやSNSで見かける機会が急増しています。
しかし、
- どんな法律なのか
- なぜいま議論されているのか
- 各党の案はどう違うのか
- 海外との違いは?
- スパイ防止法が“ない国”は他にあるのか
といった点は、意外と分かりにくいテーマです。
この記事では、最新の政治動向を踏まえながら、スパイ防止法を「できるだけ簡単に」解説します。
■ スパイ防止法とは?【まず簡単に】

スパイ防止法とは、
国家の重要情報を外国に漏らさないようにするための法律のことです。
日本には現在、いわゆる“本格的なスパイ防止法”は存在せず、
- 特定秘密保護法(2014)
- 自衛隊法
- 外為法
など、個別の法律を組み合わせて対応している状況です。
海外ではアメリカ、イギリス、ドイツ、中国など、多くの国がスパイ行為そのものを重罪として扱っています。
■ なぜ今「スパイ防止法」が必要だと言われているのか?
政策議論が加速している背景には、次のような国際情勢があります。
● 1. 情報戦の高度化
サイバー攻撃、偽情報(フェイクニュース)、政治的影響力の行使など、情報を使った攻防が激しくなっています。

● 2. 外国勢力による活動への警戒
海外警察拠点や外国ロビー活動など、国境をまたぐ影響力行使が各国の課題に。

● 3. 特定秘密保護法では“防止”が不十分
特定秘密保護法は「機密を守る法律」であり、
スパイ行為の処罰や外国勢力の活動把握」は想定されていません。

→ そこで「スパイ防止法」を作る必要性が高まっています。
■ 最新動向(2024〜2025)|各党の法案と主張
2024年末から2025年にかけて、複数の政党が独自の案を出し始めています。
● 国民民主党案(罰則なし・透明化重視)
提出法案:「インテリジェンスに係る態勢整備推進法案」

主な内容:
- 外国勢力に関係する活動の“届け出制度”
→ 外国からの影響を可視化 - 専用のインテリジェンス機関を新設
- 監督する独立組織を設ける
- 罰則なし
→ 透明性と体制強化が中心
いわば「ソフト路線」の案です。
● 参政党案(罰則あり・規制強化)

参政党はより踏み込んだ内容の法案を提出。
- 内閣情報調査局の設置
- 外国勢力による選挙干渉などに罰則を明確化
- スパイ行為の取り締まりを強化
“外国勢力の介入には厳しく対応する”という「ハード路線」の案になっています。
● 自民党・日本維新の会(議論を加速)
自民党・維新も党内議論を深めており、
党首討論では高市首相が

「年内に検討を開始し、速やかに法案を策定する」
と答弁。

政府としても本格検討フェーズに入りました。
■ 【比較表】各党の法案の違い
| 項目 | 国民民主党 | 参政党 | 自民・維新 |
|---|---|---|---|
| 罰則 | なし | あり | 検討中 |
| 対外国干渉 | 届け出制度 | 罰則で規制 | 方向性調整中 |
| 情報機関 | 新設+監督組織 | 内閣情報調査局 | 既存機関の強化 |
| 立場 | ソフト路線 | ハード路線 | 中間的 |
大きな違いは 罰則の有無 です。
■ スパイ防止法ができると何が変わるのか?
一般的に考えられる変化は以下の通りです。
● 国家機密の流出リスクが下がる
● 外国勢力の影響調査がしやすく
● 選挙・世論操作への対策
一方で、法律の内容次第では
「表現の自由」や「取材の自由」とのバランスが問われるため、慎重な設計が必要です。
■ スパイ防止法が“ない国”はある?
→ 日本は先進国では珍しいケース
結論:
👉 先進国で本格的なスパイ防止法がない国は日本が非常に少数派。
多くの国は次の内容を法整備しています。
- スパイ行為を刑事罰で規制
- 外国勢力の政治干渉を禁止
- 情報機関に権限を付与
● アメリカ

「スパイ防止法(Espionage Act)」
→ 終身刑の例もある
● イギリス

国家安全法を強化
→ 情報漏洩の罰則が厳しい
● ドイツ

刑法でスパイ行為を明確に処罰
● オーストラリア

対外国干渉法
→ 日本の“届け出”に近いが罰則あり
● 中国

国家安全法で広範囲を規制
日本は「スパイ行為」そのものを取り締まる法律がないため、国際的に見て珍しい立ち位置と言えます。
■ スパイ防止法が進まなかった理由(日本の課題)
日本で議論が進まなかった背景には次の点があります。

- 表現の自由・取材の自由との線引きが難しい
- 公権力の監視機能(独立監視機関)が未整備
- 情報機関が海外に比べて小規模
- 罰則の範囲をどこまで広げるか意見が割れていた
これらが議論の停滞につながっていました。
■ FAQ:スパイ防止法に関するよくある質問
Q1:スパイ防止法とは何ですか?
A1: スパイ防止法とは、国家の重要情報を外国に漏らさないようにする法律です。日本では2025年時点で本格的な法律はまだなく、特定秘密保護法や自衛隊法などで部分的に対応しています。
Q2:スパイ防止法は一般人にも関係ありますか?
A2: 基本的には国家機密や外国勢力に関わる行為が対象です。ただし、情報管理やセキュリティ意識の向上という観点では、一般の企業や個人にも関係があります。
Q3:スパイ防止法と特定秘密保護法の違いは何ですか?
A3: 特定秘密保護法は「国家機密の保護」が中心ですが、スパイ防止法は「外国勢力の影響防止」や「スパイ行為の取り締まり」が中心です。罰則や情報機関の設置なども法案ごとに違います。
Q4:日本にスパイ防止法はありますか?
A4: 現時点では日本に本格的なスパイ防止法はありません。2024〜2025年にかけて国民民主党や参政党が法案を提出し、政府も法整備を検討中です。
Q5:海外にはスパイ防止法がない国もありますか?
A5: 先進国ではほとんどの国が法律を整備しています。日本のように本格的なスパイ防止法がない国は非常に少数派です。アメリカやイギリス、ドイツ、中国などは重い罰則や情報機関の権限を規定しています。
Q6:スパイ防止法の施行時期はいつですか?
A6: 2025年時点ではまだ施行されていません。各党の法案を元に政府が検討を進めており、年内に検討開始と首相が答弁しています。
Q7:スパイ防止法ができると何が変わりますか?
A7: 国家機密の流出リスクが減り、外国勢力の影響調査が容易になります。また、選挙や世論操作への対策も強化されます。法律内容次第では、表現の自由や取材の自由とのバランスが課題となります。
■ まとめ|日本の議論は“いよいよ本格段階へ”
2025年の現在、スパイ防止法は
- 各党の法案提出
- 首相の年内検討宣言
- 外国勢力の影響を巡る国際情勢
により、ついに本格議論へと進み始めました。

今後の注目ポイント
- 罰則付きか、届け出中心か
- 外国干渉対策をどこまで明確化するか
- 表現の自由との調整
- 新しい情報機関の設置
- 党間合意が成立するか
日本の安全保障に大きく関わるテーマのため、今後の動きが注目されます。












