「就学時健診の知能検査って、いわゆるIQテスト?」「落ちたら入学できないの?」——そんな不安を感じる保護者は少なくありません。
結論から言うと、就学時健診の知能検査は合否を決めるものではなく、支援の必要性を確認するための簡易検査です。
この記事では、知能検査の目的・内容・「ひっかかった」ときの対応までを、体験談を交えて詳しく解説します。
就学時健診における知能検査とは
就学時健診は、子どもが小学校生活をスムーズに始められるようにするための「健康・発達の確認」の場です。

学力を測るのではなく、以下のような点を観察します。
- 指示をどのように理解して行動できるか
- 集中して取り組む力があるか
- 言葉の理解力や作業の進め方
検査は遊びの延長のような内容が多く、数分から20分程度で終わります。
子どもが緊張しすぎる必要はありませんし、「できなかった」としてもそれが合否に直結することはありません。
よくある検査内容と目的
知能検査では、子どもの思考や理解の発達段階を多角的に見ています。多くの自治体で実施される代表的な課題には、次のようなものがあります。

- 絵の記憶課題:絵を数秒見せて、あとから「何が描かれていたか」を答える。
→ 観察力や短期記憶を確認。 - 間違い探し:二つの絵を見比べて違いを答える。
→ 集中力・注意の切り替え・認知の柔軟さを確認。 - 形・模様の並べ替え:ブロックや図形カードを指定通りに並べる。
→ 空間認識力や指示の理解度を確認。
これらはあくまで「学力テスト」ではなく、「支援が必要かどうかの目安」を把握するためのものです。
たとえば会話の指示が通りにくい、集中が続かないなどが観察された場合、専門的な相談へつなげる目的があります。
「ひっかかる」とはどういうこと?
検査結果に応じて、「もう少し詳しく見ましょう」と案内が届くことがあります。
これは「落ちた」わけではなく、追加のサポートを検討しましょうというサインです。

- 教育委員会や保健センターから、教育相談や発達相談の案内が届く
- 必要に応じて、通級指導教室やことばの教室へのつながりが提案される
- 医療機関(小児科・児童精神科)での確認が勧められることもある

入学を拒否されるということはありません。
むしろ「早めにわかってよかった」というポジティブな出発点です。
筆者の体験談:小さな「苦手」が気づきのきっかけに

筆者自身も、小学生の頃、九九の暗記が極端に苦手でした。授業中に集中できず、みんなより一歩遅れていたのを覚えています。
しかし先生が根気よく支援してくれたおかげで、最終的には大学に進学。
大人になってから広汎性発達障害と診断を受け、「あのときの苦手は特性の一部だったのか」と気づきました。
支援の存在を早く知っていれば、あの頃もう少し気持ちが楽だったかもしれません。
だからこそ断言できます。
指摘された場合の対応
知能検査で「もう少し見ましょう」と言われた場合、焦らず以下のステップで対応しましょう。

- 教育委員会の教育相談窓口
➡ 就学前のお子さんに合わせた支援の方向性を相談。発達の全体像からアドバイスを受けられます。 - ことばの教室・通級指導教室
➡会話・理解・情緒のつまずきをサポートする特別支援の一形態。週に数時間だけ通うケースも多いです。 - 医療機関(小児科・児童精神科)
➡ADHDや発達障がいの有無など、専門的に評価してもらうことができます。

どこに相談したらいいか迷ったら、まず教育委員会の「就学相談」や、保健センターの発達担当に電話してみるとよいでしょう。
🔎 就学時健診の知能検査でよくある質問
まとめ
就学時健診の知能検査は「合否を決めるテスト」ではなく、子どもの個性と支援の方向性を知るための簡易検査です。
指摘を受けた場合も、それは「支援してもらえるチャンス」
不安を抱えたままにせず、教育委員会・通級指導教室・医療機関などに早めに相談しておくことで、子どもに合った環境が整いやすくなります。
お子さんの可能性を閉じるのではなく、支援のきっかけとして前向きに受け止めていきましょう。
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