「もし利用している証券会社が倒産したら、NISAや株、投資信託の資産はどうなるのか」
新NISAの普及により、この不安を感じる人は急増しています。
結論から言うと、証券会社が倒産しても、あなたの資産は原則として守られます。
これは、日本の金融制度において
- 顧客資産を会社資産と分けて管理する「分別管理」
- 万一の不足を補う「投資者保護基金」
という二重の安全網が整っているためです。
この記事では、
- NISA口座
- 特定口座
- 一般口座
それぞれの場合に、倒産時に何が起きるのかを具体的に・現実的に解説します。
証券会社が倒産したら、まず何が起こるのか

倒産=資産が消えるわけではない
証券会社は、投資家の資産を「預かって運用している仲介業者」です。
株や投資信託の所有者は常に投資家本人であり、証券会社の財産ではありません。
そのため、倒産しても
- 株が没収される
- 投資信託が無効になる
といったことは原則起きません。
分別管理とは何か

金融商品取引法により、証券会社には
顧客資産と自社資産を完全に分けて管理する義務があります。
- 株式・投資信託:信託銀行や保管機関で管理
- 現金(預り金):分別管理専用口座で管理
この仕組みにより、倒産時でも顧客資産は切り離されて返還されます。
倒産時の基本的な流れ
- 証券会社の業務停止
- 顧客資産の確認・保全
- 他の証券会社への移管
- 一定期間後、売買・出金再開
※移管期間中は、一時的に取引できなくなる点が現実的な注意点です。
証券会社が倒産したらNISA口座はどうなる?

NISA口座の株・投資信託は守られる
NISA口座の資産も、通常の口座と同様に分別管理されています。
そのため、NISAで1,000万円を超えていても、全額返還が原則です。
万一、分別管理に不備があった場合でも、
投資者保護基金により最大1,000万円まで補償されます。
NISAの非課税枠は失われる?
いいえ、非課税枠が消えることはありません。
証券会社倒産後も、
- NISA口座は他社へ移管可能
- 非課税の権利も引き継がれる

という扱いになります。
NISA口座を他社へ移す際の注意点
- 同一年度で使った非課税枠は再利用不可
- 移管手続き中は売買が一時停止
- NISAは1人1口座のため分散不可
そのため、NISA以外(特定口座)で分散する考え方が現実的です。
特定口座(源泉徴収あり・なし)の資産はどうなる?

特定口座の株・投資信託の扱い
特定口座の資産も分別管理対象です。
倒産しても、株や投資信託は原則としてそのまま他社へ移管されます。
ただし、移管完了まで
数週間〜数か月、売買・出金ができない可能性があります。
損益通算・損失繰越はどうなる?
倒産により
- 年間取引報告書が発行されない
ケースもあります。
この場合でも
- 取引履歴
- 約定明細
を保存していれば、確定申告で対応可能です。
税務処理で注意すべきポイント
- 複数口座を使っている場合、損益通算が必要
- 普段から取引履歴を保存しておくことが重要
- 貸株サービスは保護対象外となる場合がある
一般口座の場合に特に注意すべき点

一般口座では、損益計算をすべて自分で行います。
倒産時に備えて
- 購入価格
- 売却価格
- 日付・数量
を日常的に記録しておくことが不可欠です。
資産自体は分別管理で守られますが、税務処理の負担が大きくなる点に注意しましょう。
【重要】すべての資産が即時に戻るわけではない
一時的に取引できなくなるリスク
倒産直後は
- 売却
- 出金
- 新規注文
が一時停止します。
これは資産保全のための措置であり、異常ではありません。
分別管理に不足が生じた場合、
1人あたり最大1,000万円まで補償されます。
【重要】投資者保護基金(最大1,000万円)で守られる仕組み

※あくまで「不足分」に対する補償であり、
通常は分別管理のみで全額返還されます。
信用取引・FXは注意

投資者保護基金の役割
信用取引やFXは、
- 証拠金
- 未決済ポジション
の扱いが異なり、現物取引よりリスクが高い点を理解しておく必要があります。
過去に証券会社が破綻した事例
1997年の山一證券破綻、2008年の金融危機時も、
分別管理が機能し、顧客資産は原則返還されました。
影響としては
- 出金遅延
- 取引停止期間
といった「時間的ストレス」が中心でした。
証券会社が倒産したときにやってはいけない行動
- 不安から慌てて売却する
- 未確認情報を信じる
- 記録を残さない
最も危険なのは「焦ること」です。
倒産リスクに備えて今すぐできるチェックリスト
□ 分別管理の方法を確認している
□ NISA・特定口座の取引履歴を保存している
□ 資産を1社に集中させすぎていない
□ 貸株・信用取引の割合が高すぎない
□ 家族がID・保管先を把握している
よくある質問(FAQ)
Q. 証券会社が倒産したらNISAの非課税は失われますか?
A. 失われません。他社へ移管して継続できます。
Q. 特定口座の損失繰越はどうなりますか?
A. 取引履歴があれば確定申告で対応可能です。
Q. 倒産時に売却や出金はできますか?
A. 一時的に停止しますが、最終的には返還されます。
まとめ|証券会社が倒産しても慌てないために
- 証券会社が倒産しても資産は原則守られる
- 制度を知っていれば過度に恐れる必要はない
- 日頃の記録と分散が最大のリスク対策
正しい知識があれば、倒産は「資産消失」ではなく「一時的不便」に過ぎません。
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