マイナ保険証制度は全国の医療機関で順次導入が進んでいますが、現場ではまだトラブルが少なくありません。
「使えない」「使えなくなった」と画面に出たとき、焦らず正しく対処するための知識が必要です。
本記事では、資格未確認や10割負担の可能性など、ありがちなケースと確認方法をまとめました。
マイナ保険証の運用と現状
マイナ保険証の仕組みは便利な一方で、保険資格情報の反映遅延や電子証明書の失効など、制度上の不具合が発生することがあります。
多くの医療機関では日常的に一時的なエラーや照合不可が発生しており、「使えない」と表示されても慌てる必要はありません。
基本的なチェックポイントを押さえておけば大きな混乱は防げます。
マイナ保険証が「使えない」「使えなくなった」と表示される原因

マイナ保険証が読み取れない場合、主な原因は本人側の保険資格・電子証明書の問題、または医療機関のシステム障害のいずれかです。
「資格未確認」と出る場合 → 保険資格未更新

この表示は、健康保険の資格情報が最新化されていないケースで発生します。
主な原因は以下の通りです。
- 転職や退職に伴う保険組合の切り替え直後
- 国保から社保、またはその逆への変更直後
- 世帯加入変更や再交付手続きの直後
保険者側が新しい資格情報をマイナポータルに反映するまで、数日から最大2週間程度かかることがあります。そのため、資格未確認と表示されても、旧保険証や資格確認書を提示すれば受診できる場合があります。
一部の医療機関では、資格未確認でも一時的に保険扱いで診療してくれるケースもあります。
ただし、そうでない場合は一時的に10割負担になる可能性があります。
後日、保険者に申請すれば差額は返金されます。
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「利用できません」と出る場合 → 電子証明書やエラー

マイナンバーカードに搭載された電子証明書の有効期限(5年)が切れていると、本人確認ができず「利用できません」と表示されます。
カード自体の有効期限(10年)とは異なるため注意が必要です。
なお、電子証明書の更新は窓口で本人確認書類を提示すれば即日完了します。
「エラー」「読み取り不可」 → 医療機関の端末や通信トラブル

医療機関側のオンライン資格確認端末がメンテナンス中、または通信障害が発生している場合、「エラー」や「読み取り不可」と表示されることがあります。
この場合、患者側のカードや資格情報には問題がなく、機器トラブルが原因です。
医療機関がオフライン状態の場合は、従来の保険証で資格確認できます。
トラブルが解消次第、マイナ保険証の再利用も可能です。
マイナ保険証が使えなくなったときに確認すべき3つのこと
マイナ保険証が使えないときは、次の3点を順番に確認しましょう。
- 保険証の資格情報が最新か(マイナポータルで確認)
マイナポータルにログインし、「保険者名」「資格取得日」「保険証の種類」を確認します。
表示が古い、または切り替わっていない場合は、まだ保険者側で処理中です。
勤務先や自治体の保険担当窓口に直接確認しましょう。 - 電子証明書の有効期限が切れていないか
電子証明書の有効期限が過ぎると、マイナ保険証として利用できません。
市区町村窓口で無料更新が可能です。
更新後は即日反映されるため、再度医療機関で認証を試してください。 - 医療機関側のシステムが稼働しているか
オンライン資格確認はシステム障害や停電などで停止することがあります。
受付時に確認すると安心です。もし停止中でも、従来の保険証や資格確認書で受診できます。
これらを確認すれば、ほとんどの「使えなくなった」トラブルの原因を特定できます。
健康保険証・資格確認書はいつまで使える?

マイナ保険証への移行は進められていますが、従来の健康保険証も2025年12月まで使用可能です。
- 2025年12月まで:健康保険証とマイナ保険証の併用可
- 2026年以降:資格確認書の発行で対応
医療機関がまだマイナ保険証に対応していない場合は、従来どおり健康保険証で受診できます。
自治体や健康保険組合では、希望者に対して資格確認書を発行しています。
受診時に「オンライン資格確認に対応していますか?」と確認すれば、受付での混乱を防げます。
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よくある質問(FAQ)
まとめ
マイナ保険証が「使えない」と表示される原因の多くは、保険資格が最新化されていないか、電子証明書の期限切れによるものです。
中には医療機関側の通信障害もあり、必ずしも本人側の問題とは限りません。
資格未確認と表示された場合でも、多くの医療機関では柔軟に対応してくれますが、一時的に10割負担となる可能性があります。
慌てず領収書を保管し、後日保険者へ申請すれば負担分は返金されます。
最も重要なのは、マイナポータルで定期的に資格情報と電子証明書の有効期限を確認し、異常があれば早めに保険者へ問い合わせることです。
これが、トラブルを防ぎ安心して受診するための最善の方法でしょう。
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