子ども・子育て支援金は、2026年4月分の医療保険料から徴収が始まる予定です。
医療保険料に上乗せする形で、会社員・自営業・年金受給者など、ほぼすべての世代が負担対象になります。
「自分はいくら払うのか？」「独身でも関係あるのか？」
本記事では、
- 子育て支援金はいつから始まるのか
- 誰が対象になるのか
- 月いくらの負担になりそうか
- なぜ「独身税」と呼ばれるのか
について、現時点で公表されている情報・報道をもとに整理します。なお、制度の細部は今後の法改正や料率決定で変わる可能性がある点にはご注意ください。
子育て支援金はいつから始まる？
2026年4月分から徴収スタート
子ども・子育て支援金は、2026年度分、具体的には2026年4月分の医療保険料から段階的に徴収が始まる方向で制度設計が進められています。
【結論】子育て支援金は、独身・既婚を問わず医療保険加入者が負担します。
- 会社員・公務員
- 2026年春以降の給与明細に反映（給与天引き）
- 国民健康保険
- 2026年度の保険料通知に反映
- 後期高齢者医療制度
- 年金天引きや納付額に反映
なぜ2026年からなのか（制度の背景）
子ども・子育て支援金は、深刻化する少子化への対策として導入されます。
財源を特定の世代や子育て世帯だけに求めるのではなく、社会全体で広く・薄く負担する仕組みとして、医療保険制度を通じた拠出方式が選ばれました。
2024〜2025年度にかけて関連法改正やシステム整備を行い、その準備期間を経て2026年度から本格的な徴収を始めるスケジュールが想定されています。
子育て支援金とは？税金？社会保険料？
「独身税」と言われる理由
子育て支援金は、子どもの有無にかかわらず、医療保険に加入している人が負担する仕組みです。そのため、
- 独身者
- 子どものいない夫婦
- 子育てを終えた世代
も負担対象になります。
給付の中心が子育て世帯である一方、負担は幅広い層に及ぶことから、SNSやネット上では「事実上の独身税ではないか」という声が出ています。
ただし、制度上は婚姻歴や家族構成で負担が決まるわけではなく、医療保険の加入者であるかどうかが基準です。
政府の公式見解
政府・こども家庭庁は、子育て支援金について次のように説明しています。
- 税金ではなく、医療保険料に上乗せする「社会保険方式」の負担
- 少子化対策を社会全体で支えるための仕組み
- 医療・介護分野の歳出改革などと組み合わせ、実質的な負担増を抑える
このように、政府は「独身税」という表現を否定しつつ、社会全体で子育てを支える意義を強調しています。
子育て支援金の対象者｜誰が払う？
会社員・公務員
会社員や公務員は、協会けんぽ・健康保険組合・共済組合などの被用者保険を通じて負担します。
毎月の給与から天引きされる医療保険料の中に、子ども・子育て支援金分が含まれる形になります。原則として、事業主（会社側）も一定割合を負担する方向です。
自営業・専業主婦（夫）世帯
自営業者やフリーランス、その扶養家族、専業主婦（夫）などは、国民健康保険を通じて負担します。
国保では世帯単位で保険料が算定されるため、支援金分も含めた金額が市区町村から通知される見込みです。
高齢者・年金受給者
後期高齢者医療制度に加入している高齢者や、年金から保険料が天引きされている人も負担対象です。
高齢者については、所得に応じた段階的な負担や、低所得者への配慮措置が検討されています。
子育て支援金はいくら？【月額・年収別】
2026年度の平均負担額イメージ
導入初年度となる2026年度は、段階的なスタートとなり、平均的な負担額は月数百円程度から始まると見込まれています。
実際の金額は、
- 加入している医療保険の種類
- 所得（年収）
によって異なり、定額ではなく料率に基づいて計算されます。
2028年度（フル導入時）の年収別目安【被用者保険】
こども家庭庁が示した試算によると、2028年度時点での月額負担の目安は次のとおりです（会社員・公務員など）。
- 年収200万円：月約350円（年額約4,200円）
- 年収400万円：月約650円（年額約7,800円）
- 年収600万円：月約1,000円（年額約12,000円）
- 年収800万円：月約1,350円（年額約16,200円）
- 年収1,000万円：月約1,650円（年額約19,800円）
いずれも1人あたりの金額である点が重要です。
2026〜2028年度の段階的な負担イメージ
子ども・子育て支援金は、2026年度から2028年度にかけて段階的に引き上げられる予定です。会社員・公務員など被用者保険の加入者について、年収別の負担イメージは次のとおりです（いずれも現時点での試算）。
年収200万円
- 2026年度：月約200円
- 2027年度：月約250円
- 2028年度：月約350円
年収400万円
- 2026年度：月約400円
- 2027年度：月約550円
- 2028年度：月約650円
年収600万円
- 2026年度：月約600円
- 2027年度：月約800円
- 2028年度：月約1,000円
このように、導入初年度は比較的負担を抑えつつ、数年かけてフル水準へ移行していく設計が想定されています。
あくまで現時点の試算であり、最終的な料率や軽減措置によって変動する可能性があります。
実質負担は本当に増えない？
こども家庭庁の説明
政府・こども家庭庁は、子育て支援金の導入にあたって、
- 医療・介護分野の歳出改革
- 保険料の伸びを抑える取り組み
などを組み合わせることで、社会保障全体としての実質的な負担増を抑えると説明しています。
家計への影響の考え方
一方で、家計単位で見れば、医療保険料に上乗せされる新たな負担が生じるのは事実です。
2026年度以降は、
- 給与明細や保険料通知を確認する
- 固定費（通信費・保険料など）の見直しを進める
- 子育て世帯の場合は給付・減免制度もあわせて確認する
といった対応が現実的でしょう。
よくある質問（FAQ）｜子育て支援金
Q1. 子育て支援金はいつから始まりますか？
子ども・子育て支援金は、2026年4月分の医療保険料から徴収が始まる予定です。会社員の場合は2026年春以降の給与明細、国民健康保険や後期高齢者医療制度では2026年度の保険料通知に反映される見込みです。
Q2. 子育て支援金は独身でも払う必要がありますか？
はい。独身かどうか、子どもがいるかどうかに関係なく、医療保険に加入している人は原則として負担対象となります。この点から、インターネット上では「独身税」と呼ばれることがあります。
Q3. 子育て支援金はいくらくらい負担することになりますか？
負担額は加入している医療保険の種類や年収によって異なります。導入初年度の2026年度は月数百円程度から始まり、2028年度のフル導入時には、年収600万円の会社員で月約1,000円が目安とされています。
Q4. 子育て支援金は税金ですか？それとも社会保険料ですか？
子育て支援金は税金ではありません。医療保険料に上乗せする形で徴収される「社会保険方式」の負担と位置づけられています。
Q5. 高齢者や年金受給者も子育て支援金を払うのですか？
はい。後期高齢者医療制度に加入している高齢者や、年金から保険料が天引きされている人も負担対象となる方向です。ただし、所得に応じた配慮措置が検討されています。
まとめ｜子育て支援金はいつから・何に備える？
子ども・子育て支援金は、2026年4月分の医療保険料から徴収が始まる新しい社会保険方式の負担です。
- 会社員・自営業・年金受給者など幅広い層が対象
- 月数百円から始まり、段階的に負担が増える
- 子どものいない人も負担するため「独身税」と呼ばれることがある
制度の正式な料率や詳細は今後確定していくため、2025〜2026年に公表される最新情報を確認しつつ、家計の準備を進めておくことが重要です。
