「運動をすると息苦しい」「子どもが喘息でスポーツを諦めようとしている」――そんな悩みを持つ方にとって、“喘息と戦いながらも夢を叶えたトップアスリートたち”の存在は、計り知れない勇気になります。
羽生結弦選手、清水宏保選手、岡崎慎司選手……彼らは呼吸に制限がありながらも世界の頂点を目指し、実際に到達した選手たち。
本記事では、彼らの具体的なエピソードを通じて「喘息とスポーツは両立できるのか？」に迫ります。
喘息でも夢は追える？トップアスリートたちのリアル
羽生結弦｜2歳で発症もフィギュアの頂点へ
羽生結弦選手はわずか2歳から気管支喘息を患っていることを自身でも公言しており、幼少時代の激しい咳や呼吸困難の苦しみとずっと戦い続けてきました。
①室内リンクの環境が比較的アレルゲンから守られていること
②運動自体を通じて体力向上を図れること
以上のことから、喘息を持ちながらフィギュアスケートに取り組み始めたと言われています。
彼は「喘息はトレーニングの障害ではなく、共存すべきもの」と強調し、発作に備えて必ず吸入器を携帯。
運動時に発作を起こしてしまうリスクは常にありますが、正しい管理と精神力で克服しています[^1^
ただし、冬季スポーツ特有の課題もあります。
冷たく乾燥したリンクの空気や製氷機（ザンボーニ）が排出する排ガスが喘息発作の誘引となりやすく、2021年の世界選手権フリー直前に発作を起こしてしまったこともありました。
この時の発作は演技のミスを招きましたが、羽生選手は言い訳せず全力のパフォーマンスを貫き通しました。
羽生選手の存在は
「喘息があっても、世界のトップアスリートになれる」
という強力なメッセージとなり、多くの喘息患者の希望の星となっています。
清水宏保｜重度の喘息を乗り越えた金メダリスト
長野オリンピックの金メダリストである清水宏保選手もまた、重度の喘息を抱えつつトップアスリートとして輝かしい結果を残した実例です。
彼は幼少期から喘息の激しい症状に苦しみ、厳しい制限の中でトレーニングを続ける必要がありました。
それでもあきらめず、医学的なケアと自己管理を徹底しながら競技に打ち込み、見事オリンピックで金メダルを獲得しています。
清水選手の成功は、
喘息患者でも正しい知識と信じる力があれば、喘息は壁ではなくなることを実証してます。
岡崎慎司｜運動誘発性喘息と独自メソッド
元日本代表サッカー選手の岡崎慎司選手は、試合中の息苦しさを感じ、運動誘発性喘息を公表しました。
これは運動で気管支が収縮し呼吸困難になるタイプの喘息で、競技者には大きなハンディキャップとなり得ます。
しかし岡崎選手は、
適切な治療に加えて胸郭のストレッチや呼吸法を自己流に工夫
これにより症状を大幅に軽減し、国内外の厳しい戦いの場で活躍したのです。
彼の経験は呼吸管理の重要性を示し、同じ病気を抱える若手アスリートの良き指針となっています。
藤川球児｜啓発活動にも力を注いだ鉄腕投手
元プロ野球選手である藤川球児さんも喘息持ちとして知られています。
自身の経験を通じて喘息への理解促進や啓発活動に積極的に参加しています。
スポーツを続ける上で生活習慣や医療管理が重要であることを広く伝え、多くの喘息患者や子供達に勇気を与える存在です。
喘息とスポーツは本当に両立できる？
運動誘発性喘息の特徴とリスク
喘息は、気管支の慢性的な炎症で呼吸がしづらくなる病気であり、特に運動誘発性喘息はトップアスリートにも多い症状です。
日本人の約10%が喘息を持つとも言われ、運動時の発作経験者は多くいます。
運動による気管支の冷却や乾燥、精神的・肉体的ストレスが発作の引き金となります。
しかし適切な薬物治療や環境管理、体調管理で症状は十分コントロール可能です。
アスリートに学ぶ、正しい管理法とは？
選手たちは日々、呼吸器専門医の指導を受けながら吸入器を携帯し、発作を予防しつつ競技に取り組んでいます。
羽生選手もそうした自己管理の模範例と言えるでしょう。
❓よくある質問｜喘息とスポーツについての疑問に答えます
まとめ｜“呼吸を超えて”夢を追い続けるということ
喘息を抱えながらも、羽生結弦選手や清水宏保選手、岡崎慎司選手、藤川球児選手らは、自身の限界に挑み続け、トップスポーツの世界で輝きを放っています。
彼らの努力と工夫は、喘息があっても夢を追い続けられるという強いメッセージを私たちに届けてくれます。
適切な治療と自己管理、そして何よりも諦めない心があれば、喘息を乗り越えて新たなステージへ踏み出すことが可能です。
医学の進歩とともに、喘息患者のスポーツ参加は今後も増え、さらなる活躍が期待されています。
トップアスリートたちの挑戦から学び、あなたも自分の可能性を信じて歩み続けましょう。
参考リンク
彼らの呼吸の一歩一歩が、同じ症状を抱えるすべての人に『希望』という酸素を届けています。
