橋本病とは?|“なんとなく不調”の正体を解説
橋本病の原因と仕組み(自己免疫疾患とは)

橋本病は「自己免疫疾患」と呼ばれる病気の一つです。
免疫システムに異常が起き、自分の甲状腺を誤って攻撃してしまうため、甲状腺ホルモンが徐々に減少していきます(※)。
甲状腺は全身のエネルギーバランスを司る小さな臓器なので、ホルモンが不足するとさまざまな不調が現れます。
橋本病は特に女性に多いことが知られており、成人女性の約10人に1人が潜在的に抱えているともいわれます(※)。
主な症状と初期サイン
●「なんとなくだるい」「以前より疲れやすい」と感じたら要注意。
その他にも下記のような症状が複数当てはまる場合は、見逃さずにチェックしましょう(※)。

- 顔や手足のむくみ
- 強い倦怠感や無気力
- 寒がり、体重増加
- 気分の落ち込み、うつっぽさ
- 便秘や肌・髪の乾燥
- 声のかすれ
- 朝起きられない・睡眠時間が増える
治療法と完治の可能性
不足した甲状腺ホルモンを補う薬(ホルモン補充療法)が基本(※)。
症状のコントロールが可能になり、普段通りの生活を送れる方がほとんどです。
なお根本的な完治は少ないものの、しっかり治療や管理を行えば、重症化や合併症のリスクも大きく減らせます(※)。
橋本病とバセドウ病の違いとは?

ホルモンの「多すぎる・少なすぎる」の違い
◆橋本病(甲状腺機能低下症):甲状腺ホルモンが足りなくなる
◆バセドウ病(甲状腺機能亢進症):甲状腺ホルモンが過剰になる
→ どちらも自己免疫異常が背景ですが、ホルモンの増減で症状が真逆になります(※)。
症状の違い
◆橋本病
- だるさ/むくみ/体重増加/便秘
- 無気力、顔や手足のむくみ、乾燥肌、寒がり
◆バセドウ病
- 動悸/手の震え/体重減少/下痢
- 不安・興奮、眼球突出、頻脈、暑がり、多汗(※)
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精神的・身体的にどう違うか
橋本病は「元気が出ない・眠い・落ち込む」など省エネモードになるのが特徴。
対してバセドウ病は「イライラ・焦り・寝付けない」など“テンション過剰”症状が出やすくなります(※)。
橋本病を公表した芸能人一覧【2025年版】
高橋真麻さん|声のかすれと倦怠感から診断へ

アナウンサーの高橋真麻さんは、長引く「声のかすれ」や「倦怠感」「体重増加」から受診し、橋本病と判明。
テレビ番組やイベントでの公表をきっかけに、多くの患者さんから共感の声が集まりました。
治療後は仕事・家庭ともに両立しながら、メディアで前向きな姿勢を発信しています。
木村文乃さん|20代での不調を経て診断された体験

女優の木村文乃さんは20代に「むくみ」「慢性的な疲労」「冷え」などの症状が続き、検査で橋本病を診断されました。
休養と治療をはさみつつ、役作りや芸能活動を続けています。
個人の発信や出演コメントで多くのファンに希望を与えています。
高垣麗子さん|だるさと落ち込みを乗り越えてモデル復帰

モデルの高垣麗子さんは、30代で診断。全身のだるさや気分の落ち込みを乗り越え、自分らしく体調管理を続けながらモデル活動を再開。
インスタグラムなどで「前向きに病気と向き合う姿」や日々のケア情報を発信し、多くの女性に勇気を届けています。
芸能人が語る「橋本病と向き合う日常」

SNSやメディア発信がもたらす共感と希望
芸能人がリアルな体験や症状を発信することで、「同じ症状に悩むのは自分だけではない」と多くの患者さんが勇気をもらっています。
SNSには「治療して良くなったよ」「私も同じです」といった共感の声が集まり、コミュニティが広がっています。
「仕事・夢」と「治療」の両立の実際
症状コントロールにはホルモン補充療法や生活リズムの維持が重要。
無理をせず、必要に応じて休養を取りつつ第一線で活躍する芸能人は、多くの人の目標やモデルにもなっています。
同じ病気の人への励ましと気づきのきっかけ
「小さな違和感も大事にして」「つらい気持ちを我慢せず相談してほしい」と発信する芸能人たち。
メディアの力で「早期受診」「適切な治療」の大切さが社会に広まりつつあります。
こんな症状があれば要注意|セルフチェックリスト
橋本病のセルフチェック10項目
- 朝起きられない・だるさが続く
- 理由のない体重増加
- 寒がり・冷え性
- 顔や手足のむくみ
- 便秘がち
- 肌や髪が乾燥してパサつく
- 声がかすれる
- 気分の落ち込み・無気力
- 眠気が強い(過眠)
- 動悸や息切れが増えた(進行例)

受診の目安と相談すべき診療科
2~3項目以上あてはまるなら、一度専門医の診察を。
受診先:内分泌内科/甲状腺専門クリニック/かかりつけ内科
橋本病と障害年金・手帳の関係

重症例での認定基準と申請方法
症状が強く、普段の生活や仕事に著しい支障がある場合は「障害年金」や「障がい者手帳」が申請できる可能性があります。
申請時には医師の診断書・検査結果が必要です。
対象になる可能性があるケースとは
軽症例は多く該当しませんが、重症化して著しい機能低下が生じた場合は対象となることがあります。
詳細は専門医・社会福祉士へご相談ください。
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よくあるご質問(FAQ)
まとめ|早期発見・治療で日常を守ろう

芸能人の体験から学べること
“なんとなく不調”の陰に、実は橋本病のような病気が潜んでいることも。
芸能人の体験談は「受診や治療への第一歩」のきっかけになります。
放置せず「違和感」で検査を受ける勇気を
ためらわず、違和感を感じたら一度検査を。早期治療で毎日がより健やかに過ごせます。
身近な症状も放置せず、まずは専門医や信頼できるクリニックにご相談を。
監修:武蔵小杉こころみクリニック 専門医チーム
(医療情報の正確性・最新性に配慮しています。詳しくは[クリニック紹介ページ]をご参照ください)



