最近、SNSなどで話題になっている書籍『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』。
その表紙に描かれた動物のイラストが「発達がい害への偏見につながるのでは?」と、さまざまな意見を呼んでいます。

では、このイラストを描いたのは誰なのでしょうか?
そして、なぜこのようなデザインになったのでしょうか?
今回は、表紙やイラストを手がけたイラストレーター芦野公平(あしの こうへい)さんに注目して、
彼のプロフィール・年収予想・謝罪の経緯などを解説します。
イラストを描いたのは誰?──芦野公平さんとは
芦野公平さんは、東京を拠点に活動するプロのイラストレーターです。
書籍の表紙(装画)や雑誌、広告など、幅広いジャンルで活躍しています。
プロフィールとキャリアの変遷
1978年秋田県生まれ。
武蔵野美術大学で9年間嘱託職員として勤務後、2014年にフリーランスとして独立。
39歳で原宿ギャラリー初個展を契機に、書籍・雑誌・広告分野で本格的に活動開始。
東京イラストレーターズ・ソサエティ(TIS)会員として、Honda N-ONEカタログや坂角総本舗130周年カタログなど多様な媒体で活躍。

主な受賞歴
・誠文堂新光社「イラストノート」第8回大賞
・玄光社「イラストレーション」チョイス入選(168回)・準入選(174回)
作風の特徴──科学とエッセイの架け橋
・親しみやすさと正確性の両立
・著作権を超える創作手法



- 文庫の装画(表紙絵)
- 原宿のギャラリーでの個展開催
商業とアートの両方で実績がある中堅イラストレーターです。
なぜ問題になったのか?──装画制作の流れと反省
今回問題になった表紙では、発達障害がいの特性を動物で表現したことが批判を呼びました。
実際の制作の流れは以下のようなものだったそうです。
最初のラフ(下書き)は「人間」で描かれていた
もともとは「職場でのいろいろな人の個性を表現したい」という意図でした。

人間がパソコン作業をしたり悩んだりしているイラストを描いていたとのこと。
編集部の指示で「動物」へ変更
その後、編集部から「もっと可愛く、親しみやすく」との修正依頼があった。
登場人物をナマケモノ(ASD)・サル(ADHD)・ヒツジ(トラウマ)などに置き換えたそうです。
芦野さん自身も「動物に例えることは、誤解や差別につながるかも…」と感じていた。
多忙だったことや編集部への信頼感から、そのまま作業を続けてしまったと説明しています。
問題の6つのイラストはこちら

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謝罪と今後の取り組み
芦野さんは、以下のように謝罪と反省の言葉を述べています。
「意図はなくても、傷ついた人がいるという事実を重く受け止めます。」
さらに、今後の対策として以下のような取り組みを始めると発表しました。
- イラスト制作時に「差別的にならないか?」をチェックするリストを作成
- 関係者と意見を出し合う打ち合わせを重視
- 社会的なテーマに関するリテラシーを学ぶ努力
このように、一方的に弁解するのではなく、真摯に受け止めた姿勢が印象的です。
芦野公平さんの年収は?──プロイラストレーターの収入事情
では、そんな芦野さんの収入はどれくらいなのでしょうか?
もちろん、本人が公表しているわけではありません。
イラストレーターの平均年収は?

日本で活動するイラストレーターの平均年収は約360万円前後とされています。
ただし、芦野さんのように商業案件や個展も行っている場合、それ以上の年収になる可能性が高いです。
芦野さんのケースでは?
- 書籍の表紙
- 1冊10~30万円程度
- 広告案件(例:車のパンフレット)
- 50~100万円以上
- 個展
- グッズや作品の販売収入もあり
これらをふまえると、年収は500万〜800万円程度と推定しました。
ただし、今回のような炎上騒動が仕事に影響する可能性もあるため、今後は受注が減って収入が下がるリスクもあるかもしれません。
芦野さんの今回の対応は、「自分の非を認め、次に活かす姿勢」が見えるものでした。
それはきっと、これからのイラストレーターやクリエイターにとって大切な学びになるはずです。
- イラストレーター芦野公平のサイト
- あの素敵なイラストは、どうやって描かれているの? 人気イラストレーター・芦野公平さんに聞きました!|ヤマケイの本
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まとめ|「表紙の絵」にもがある

一見、ただの可愛い表紙に見えるかもしれません。
でもそこには社会の価値観や偏見、そしてクリエイターの想いが詰まっているのです。
私たちが本を手に取るとき、その表紙の裏にどんな背景があるのか――
少しでも考えるきっかけになればうれしいです。
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