- 国民審査は「×をつけるかどうか」を判断する制度
- 罷免された裁判官は過去にいないが、投票には意味がある
- 迷ってもいい。考えること自体が制度の本質
国民審査は「よく分からない」と感じる人が多い。
白票/全部×/何も考えずに投票…実態はさまざま。
この記事の目的は「正解を示すこと」ではなく「考える材料を整理すること」。

投票所で名前を見ても、誰なのか分からず戸惑った経験がある人は少なくありません。
その場で判断しきれず、なんとなく記入してしまったと感じることもあります。
最高裁裁判官国民審査とは何か

最高裁裁判官国民審査は、衆議院議員総選挙の投票日に行われる制度です。
投票用紙には対象裁判官の氏名が印刷されており、罷免を望む場合に限り氏名の上に「×」を記入します。何も書かない場合や「○」は信任を意味し、「×」以外のマークは無効票となります。
有効投票総数の過半数が「×」となった場合、その裁判官は罷免されます。
これまで罷免された例はありません。
👉https://www.soumu.go.jp/senkyo/kokuminshinsa/seido_point.html
なぜ最高裁裁判官国民審査の選び方は「よく分からない」のか【理由】
「よく分からないままでは判断できない」と感じ、記入方法に迷う人も多いようです。

裁判官の考え方が見えにくい
最高裁の判決は通常、複数の裁判官による合議制で決定されます。
個人の意見が判決文に明確に表れにくい構造です。
判決報道は断片的になりがち
ニュースの見出しだけが目立つ形で伝わりやすい。
判決の全体像や背景を把握しにくい状況が生まれます。
判断材料が公式に整理されていない
選挙公報のような形で裁判官の詳細な情報が提供されません。
比較しやすい形での制度設計になっていない。
分からないのは当然です。
国民審査で罷免が成立した例はあるのか

国民審査は1949年の第1回実施以降、のべ約200人の最高裁裁判官が対象となってきましたが、これまで罷免が成立した事例は一度もありません。
過去には特定の裁判官に対して×票が比較的多く集まった回もありますが、いずれも有効投票総数の過半数には達せず、信任となっています。
例えば、1972年の国民審査では約15%の×票が集まった例があり、近年でも10%前後の×票が記録された回があります。
ただし、これらはいずれも罷免に至る水準ではなく、歴史的に見て罷免例がないという事実は、制度の特徴として知られています。
こうした実績をどう受け止めるかについては、人によって考え方が分かれます。
最高裁裁判官国民審査でよく見られる考え方の例
どの選択が正しいのか分からず、毎回悩んでしまうという声も聞かれます。

判決内容を調べて判断する人
過去の判決文や解説記事を読み、個別の判断を基にします。
この考え方は人によって賛否が分かれます。
制度そのものへの意思表示として考える人
国民審査を最高裁へのチェック機能と捉える視点があります。
こうした抽象的な捉え方も存在します。
判断が難しいため慎重になる人
信任の意を込めて「○」相当の何も書かない選択をします。
投票用紙に何も記入しない選択も見られます。
自分なりの判断軸を持つためのヒント

一つの判決だけで決めなくてもいい
特定の判決だけでなく、複数の事案から傾向を見る視点があります。
感情と事実を切り分けて考える
感情が生じるのは自然ですが、事実確認を並行して進めます。
「分からないまま投票しない」ことの意味
判断に至るプロセスを踏むこと自体に意味があります。
完璧な理解を求める必要はありません。
考えることに意味があるのです。
最高裁裁判官国民審査のよくある質問(FAQ)
Q. 最高裁裁判官国民審査は必ず投票しないといけない?
投票は任意です。何も記入しなければ信任となります。
Q. ×をつけるとどうなる?
有効投票の過半数が×ならその裁判官は罷免されます。それ以外は在職を続けます。
Q. 全部同じ判断でもいい?
各裁判官ごとに独立して判断可能です。同じ記入でも有効です。
Q. 全部×や白票はどう考えればいい?
全部×や白票は、制度上は有効な選択肢です。
ただし、それぞれが持つ意味や受け止め方は人によって異なります。
自分なりに考えた上で選択することが大切とされています。
Q. 国民審査で罷免された裁判官はいる?
A. 1949年の制度開始以降、罷免が成立した事例はありません。
まとめ
迷いながら投票用紙を前にする時間自体が、この制度の特徴なのかもしれません。
国民審査は難しい制度です。
迷う人が多いのは自然です。
大切なのは「自分なりに考えること」。












