「年収の壁が見直されると聞いたけれど、いつから?」
「税金はいつから安くなるの?」
こうした疑問を持つ人は少なくありません。
結論から言うと、年収の壁を178万円に引き上げる見直しは、2026年度税制改正から適用予定です。
この記事では、
- 年収の壁見直しはいつから始まるのか
- 税金はいつ、どの年収から影響が出るのか
- 年収別にどれくらい減税されるのか
を、最新の事実関係に基づいて解説します。

年収の壁見直しとは?何が変わるのか
年収の壁とは、
一定の年収を超えると所得税がかかり始めるラインのことです。
現行制度:160万円の壁はすでに施行済み

2025年1月からは、
それまでの「103万円の壁」が見直され、
所得税がかかり始める年収は160万円となっています。
これは、
- 基礎控除の引き上げ
- 給与所得控除の見直し
によるものです。
今回の見直し:178万円への引き上げ
さらに今回、
年収の壁を178万円まで引き上げることについて、
2025年12月に自民党と国民民主党が合意しました。
これにより、
所得税がかからない年収の範囲が、
160万円 → 178万円へ拡大する見通しです。
年収の壁178万円はいつから適用される?

結論:2026年度(令和8年度)税制改正から
年収の壁を178万円に引き上げる見直しは、
2026年度税制改正から適用される予定です。
ポイントは以下の通りです。
- 2025年12月:与党間で合意
- 2026年度:税制改正として施行予定
- 法改正と予算成立が前提
2025年の税金はどうなる?
2025年分の所得については、
- 160万円の壁が適用
- 178万円への引き上げはまだ反映されない
という扱いになります。
そのため、
「2025年から178万円まで非課税になる」という理解は誤りです。
年収の壁見直しで税金はいつから安くなる?
会社員・公務員の場合

会社員や公務員の場合、
178万円への引き上げによる減税効果は、
- 2026年分の所得
- 2026年の年末調整
で反映される見込みです。
月々の給料がすぐ増えるというより、
年末調整で税金が戻る形になるケースが一般的です。
フリーランス・副業がある人の場合

フリーランスや副業収入がある人は、
- 2026年分の所得
- 2027年の確定申告
で、減税効果を実感することになります。
給与所得者よりも、
実感できる時期が遅くなりやすい点は注意が必要です。
年収別|どれくらい減税される?
今回の178万円への引き上げでは、
幅広い年収層が減税の恩恵を受けるとされています。

年収別の減税額(目安)
| 年収 | 減税額(目安) |
|---|---|
| 200万円 | 約7,000~1万円 |
| 300万円 | 約8,000円 |
| 500万円 | 約2万8,000円 |
| 600万円 | 約3万7,000円 |
| 800万・1,000万円 | 約8,000円 |
特に中間層の減税が大きい理由
基礎控除の増額幅が最大となるのは、
年収475万~665万円の層とされています。
そのため、
- 年収500万円前後
- 年収600万円前後
の中間層では、
3万円前後の減税が見込まれています。
今回の改正は、
物価高の影響を受けやすい中間層を重視した設計といえます。
減税規模はどれくらい?
財務省の試算では、
- 178万円への引き上げによる追加減税:年間約6,500億円
- 103万円→160万円への引き上げ分も含めると
合計で約1兆8,500億円規模の減税
とされています。
社会保険の壁と税金の壁は別
注意点として、
今回の見直しは所得税に関する年収の壁です。
- 106万円
- 130万円
といった社会保険の加入ラインは変更されません。
パートや主婦の方は、
税金だけでなく社会保険の影響も含めて
働き方を判断する必要があります。
今後のスケジュールと注意点
- 2026年度税制改正としての施行が前提
- 国会での法改正・予算成立が必要
- 制度の細部が今後調整される可能性あり
現時点では、
「2026年度から適用予定」という理解が最も正確です。
よくある質問
Q1. 年収の壁178万円は2025年から適用されますか?
A. いいえ。178万円への引き上げは2026年度税制改正から適用予定で、2025年分の所得には反映されません。
Q2. 年収の壁が上がると全員が減税されますか?
A. 幅広い年収層が対象ですが、基礎控除の増額幅が大きい年収475万~665万円の中間層が最も恩恵を受けます。
Q3. 社会保険の106万円・130万円の壁も変わりますか?
A. いいえ。今回の見直しは所得税に関するもので、社会保険の加入ラインは変更されません。
まとめ|年収の壁見直しと税金はいつから変わる?
- 年収の壁は 160万円 → 178万円へ
- 178万円への引き上げは 2026年度から適用予定
- 税金が変わるのは 2026年分の所得から
- 中間層(年収475万~665万円)が最大の恩恵
- 社会保険の壁は今回の改正対象外
「年収の壁はいつから?」という疑問に対する答えは、
「178万円への引き上げは2026年度から」です。












