「就学援助費はいくらもらえるの?」「うちの年収でも対象になる?」
新年度前に特に検索が増えるキーワードですが、自治体ごとにルールが違うため、情報が分かりにくいという声が多い制度です。
就学援助は、学用品費・給食費・修学旅行費など、義務教育に必要なお金を市区町村が補助する制度で、ひとり親に限らず共働きの一般家庭でも、収入基準を満たせば利用できます。
この記事では、
- いくらもらえるのか(補助内容)
- 年収の目安(対象になりやすいライン)
- 世帯収入別の受給例
- 収入の計算方法
- 申請方法と注意点
まで、初めての方でも理解できるようにまとめました。

1. 就学援助とは?どんな家庭が対象?
就学援助制度は、経済的な理由で就学が難しい家庭に対して、学校生活に必要な費用を補助する制度です。

対象家庭の例
(自治体により異なる)
- 住民税非課税・減免世帯
- 児童扶養手当受給世帯
- 母子・父子家庭
- 生活保護の停止・廃止世帯
- 失業や病気などで収入が急減した世帯
- その他、経済的に困難と判断される家庭
ポイント:ひとり親かどうかではなく、「収入基準」で判断される。
👉就学援助制度について(就学援助ポータルサイト):文部科学省
2. 就学援助で補助される費用はいくら?主な費目と金額の目安
補助金額は自治体によって異なりますが、一般的に次の費用が対象です。

主な補助項目と内容
- 学用品費
ノート・筆記用具・体操服など
→ 入学年度(小1・中1)は高め(1〜3万円前後など) - 給食費
全額または一部補助
→自治体によっては学校が立替する方式もあり - 校外活動費・通学用品費
上履き、ランドセル、遠足・社会科見学など - 修学旅行費
全額または一部補助
→支給のタイミングは旅行前後でまとめて支給されることが多い - 医療費補助(自治体による)
金額は自治体で大きく違う点に注意
例として、以下の傾向があります。
- 学用品費:小学生 1〜2万円、中学生 2〜3万円台が多い
- 修学旅行費:3万〜6万円前後(自治体差が大きい)
▶ 「自治体名+就学援助」で調べると、年度ごとの具体的な金額表を確認できます。
3. 就学援助の年収基準はいくら?対象になりやすい目安
就学援助の年収基準は、一般的に
生活保護基準の 1.1〜1.3 倍
に設定されます。
ただし、自治体・家族構成・物価等により異なるため、明確な年収ラインは公開されないことも多いです。
対象になりやすい代表例
- ひとり親で年収が低めの家庭
- 共働きでもパート収入中心で世帯年収が低めの家庭
- 直近の失業・病気などで収入が大幅に下がった家庭
4. 【最重要】世帯収入の計算方法(就学援助の審査で使われる算出式)
就学援助で使われる収入判定は、多くの自治体で次の計算式に基づいて行われます。

■ 就学援助の「収入(所得)計算方法」
- それぞれの世帯員の年間収入
- → 給与所得控除などを引き、年間所得額を算出
- → 世帯全員の所得を合計
- → 社会保険料控除などを差し引く
- → 残った金額を 12で割り「世帯の月収額」 として算定
- → 自治体の「収入基準表」にあてはめて判定(全額・一部・対象外)
(1)年間収入
↓ 給与所得控除
(2)年間所得
↓ 社会保険料控除など
(3)可処分所得
↓ 12で割る
(4)世帯の月収額 = 判定に使用
使われる収入の例
- 給与所得(給与+ボーナス)
- 所得税・住民税の課税状況
- 各種控除(給与所得控除、社会保険料控除など)
申請時は課税証明書や所得証明書で確認されます。
5. 【世帯年収別】就学援助がどれくらいもらえる?受給例まとめ
自治体ごとに差はありますが、一般的な受給イメージは以下の通りです。
【年収別|もらえる補助の目安】
年収 〜200万円 → ほぼ全額補助
年収300〜400万円 → 大部分が補助/修学旅行も一部
年収400〜500万円 → 給食費のみ補助
年収500万円〜 → ほぼ対象外
| 世帯年収の目安 | 受給内容のイメージ | 備考 |
|---|---|---|
| 〜200万円未満 | 学用品費・給食費・修学旅行費のほぼ全額補助 | 生活保護基準に近い世帯 |
| 300万〜400万円 | 給食費・学用品費の大部分を補助、修学旅行費も一部対象 | 住民税非課税近辺の世帯 |
| 400万〜500万円 | 給食費の一部補助のみのケースが多い | 課税世帯 |
| 500万円〜 | ほぼ補助対象外 | 所得制限の上限を超える |
重要なポイント
- 年収だけで判定されるわけではなく、「所得控除後の月収額」で判断される
- 扶養人数によって判定が大きく変わる
- 同じ年収でも自治体によって対象になるケースがある
👉 年収500万円でも扶養人数が多い場合、ギリギリ対象になるケースもあり。
6. 申請方法・時期・必要書類

■ 申請の流れ
- 学校または自治体から申請書を受け取る
- 収入書類を添えて提出
- 審査 → 認定 → 補助額決定
- 指定口座に振込
■ 多くの自治体で4月に案内配布
新年度の申請は毎年4月配布が一般的です。
■ 年度途中の申請も可能
- 失業・病気・災害などで家計に変化があった場合
- 転入した場合
➡ 申請した月以降が対象になるため、早めの申請が有利
■ 必要書類の例
- 就学援助申請書
- 課税証明書/所得証明書
- 児童扶養手当証書(該当者)
- 振込口座の通帳コピー
最近はオンライン申請対応の自治体が増加しています。
7. 就学援助のQ&A・注意点
■ 毎年申請が必要?
→ 必要。更新制度ではない自治体が多い。
■ 他の手当と併用できる?
→ 児童手当・児童扶養手当・医療費助成などと併用可能。
■ 周囲に知られる?
→ 学校側も担当者を限定し、周囲に知られないようプライバシーに配慮して運用。
■ 判定は年収だけで決まる?
→ 控除・扶養人数・課税状況など総合的に判定される。
まとめ:就学援助費はいくらもらえる?年収次第で大きく変わるので「まず申請」が正解
就学援助は、収入が一定以下であれば、
- 学用品費
- 給食費
- 修学旅行費
などの、学校生活に必要なお金を補助してくれる制度です。
👉就学援助制度について(就学援助ポータルサイト):文部科学省
特に、
- 生活保護基準の1.1〜1.3倍前後の年収の家庭
- パート中心の共働き世帯
- ひとり親世帯
- 収入が急減した家庭
などは対象になる可能性が高いです。
👉 年収の数字だけ見て「無理かも」と判断せず、まずは申請してみることが重要です。












